季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

名前を知る

2011-03-21 12:30:54 | サイエンス Science
ニュースでは道路やインフラの復興、支援物資が避難所に届いた事などうれしい知らせも入ってきて、ちょっと心強い。
そうやって現場で日夜頑張り続けている人たちの成果が目に見えて、人間の強さ、日本人のひたむきさに誇りを感じる。

直接の被害がなかった地域ではやはり福島の経過が気になる。
海外の人もかなり注目している。

いろんな所で「見えない放射能が怖い」と言う言葉がある。
近ければ尚更、遠くても必要以上に怖がったりしてしまうと思う。
今の状態だったら遠い昔に鬼やもののけを怖がったように放射能を怖がる人がたくさんいるのではないだろうか。見えないから、分からないから。

「原子力発電所で爆発が起こりました」と言うニュースで、それが水素と酸素の化合によるもの。放出された煙(ほんとは殆どが水蒸気)に放射性物質が含まれる。と報道されても、それがどんなものか何か、それぞれの意味や働きについて分からない人もたくさんいるのではないかと思う。

そんなこの頃、私は化学をたくさん勉強していて良かったと心から思っている。
これらの情報は中学または高校の化学の範囲内で十分に理解できる。
水素と酸素の化合は実験でしているはずだし、それが爆発音を伴って一気に起こるけれど、出来る物質は水蒸気(水)と言う事、放射性物質とは何かなど。
ウランやプルトニウム、セシウムやヨウ素などの言葉を聞いても大体何か見当がつくと思う。

私は大学の研究で放射性物質を使ったので、放射性物質の取り扱いに関する講義を十分に受けて特別な設備がある実験棟で実験をした。マイクロピペットで取り扱うくらいのほんの少しの量でさえ、それほどの注意を払って行っていた。そして講義では放射性物質がどんな風に体に影響するかなども詳しく学んだ。
だからこの頃新聞などで公開される情報を得て、自分の頭で判断が出来る幸運が手にあると思った。

「ルンペンシュティルツヒェン」と言う話がグリム童話にある。日本では「大工と鬼六」だ。どちらの話も内容は、困っている人にオニ(大きな力を持つけれど人を超えた低次な存在)が大いなる助けを施して、その見返りに人から大事なものを奪おうとしている。それを打ち消す方法が一つあって、それが「名前を知る」と言うものだ。
名前を知られたオニは姿を消してどこかに行ってしまう。

新聞やテレビですぐれた専門家の方々が出来るだけ詳しく正確に情報を発信しようとしている。それを受け取って見えない相手の「名前を知る」と怖さは減って安心が生まれる。

世の中の化学を学んだ人達がそうやって情報から行動を図れる十分な知識を生かしていること、これから学ぶ学生達がそういう知識を十分に身につけてくれることを願わずにはいられない。

スリランカのエナは「ここのサファリは最高よ!」と言う。「コテージで泊まるのよ」と。
「それって危なくないの?」と聞くと「いくつかの野生動物たちとの約束事を守っていれば、なにも危なくないよ。」と言われた。

相手を知って最低限の約束事を守って安全に暮らす。
とても安全な環境でほとんど警戒心なく過ごしている日本人には難しいことかも知れないけれど、大切だと思っています。

これほど科学が進歩して「見えない・分からない」ブラックボックスに囲まれて暮らしている今、「理系離れ」など言っている場合ではない。科学の知識を身につけることは自分の暮らしを守る事だと思います。

専門の知識については新聞やテレビ、ネットで詳しく公開されています。
私が化学を学んできての一つの確信は「物質の危険性は種類だけではなく量による。それによっては毒にも薬にもなる。」と言うものです。
いたずらに恐れず、それでもいつもいくらかの警戒心も持って安心に暮らしたいものです。
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日食は雲の中

2009-07-22 23:07:12 | サイエンス Science
楽しみにしていた日食!
大売れで日食メガネは買えず、厚紙に小さな穴を開けたものを用意した。

朝からドキドキ!
しかーし!
大阪は曇りでした。
雲の隙間から少しは見えたものの、小さな穴の影が出来るほどには照らず
裸眼での観察は危ないと、ほとんど見ないで日食が終わりました。残念!

それでも少しずつ世界が暗くなって行くのを
それから明るくなって行くのを感じました。

3年後の金冠日食を楽しみにしましょう!


ここ数日、体がだるくて何もしたくない状態が続いていた。
そういう時は素直に休む私。
それまで約3ヶ月、毎日あらゆる物を作りに作っていたから疲れたか。
ずっと甘やかしていた自分もこの間、随分我慢させていたから氾濫を起したのかもしれない。

そんな時、無性に「エンゼルパイ」が食べたくなったのがおかしかった。
あんなに濃くて甘いもの!!買って来て「思いっきり食べて良し!」と自分に許して食べ始めたら、ミニサイズを4個食べたらもうお腹一杯になった。
大した事なかったな。一箱は食べられると思ったのに!ついでに「コーラ」も飲んだよ。
毒も薬のうち。

じっくり休んで家族に甘えて、食べたい物食べて我慢しないで暮らしたら
元気になりました。
元気になってからミニエンゼルパイを食べたら、甘くて甘くて一つでも精一杯だった。
疲れているときって不思議!自分じゃないみたいです。

私は以前にも書きましたが、星や月の動きを感じつつ暮らす、と言うのを試みています。長く続いている。
その中で、新月や満月を境に体調や環境が変化する事が結構あると感じています。
折しも今日は新月と日食が同時に起こる日。
やっぱり山は来て、すっと楽になったように思います。

そうなるとまた業務スーパーで材料を買って来た。
作りに作る日がまた始まるよ。
今度はちょっと手を抜きながら楽しんでゆるゆる作ろう。

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スポドリより美味しい!

2008-08-09 22:46:15 | サイエンス Science
娘が毎日のクラブ活動に紫蘇ジュースを持っていく。
お茶よりスポーツドリンクよりいいんだそうだ。

私は酸味に酢を入れたものがまろやかで美味しいと思うが
彼女はクエン酸の方がパンチがあって好きらしい。

それで、今回は両方を半分ずつ入れてみた。
砂糖も白砂糖が足りなかったので、ざら目や粗製糖などあるものを入れた。レモンの代わりにレモン汁のビン入りも使ってみた。
そしたら、いつになく美味しい!私にも娘にもちょうどよい頃合い。

       

酸を入れる前はこんな色。

       

それが、酸を入れたらとたんに鮮やかな赤紫色に変わります。
美しい!

       

鍋を洗うときに石鹸を使ったら、泡はちゃんと青紫色になりました。
分かっているけど何回見ても面白い。
私が化学を好きな原体験。色の変化。

私にとって毎日の生活、料理やガーデニングもサイエンス。
なぜだろう?面白い!精神が満タン。
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いのちのはじまり

2008-05-03 21:44:02 | サイエンス Science
GADV仮説―生命起源を問い直す (学術選書)
池原 健二
京都大学学術出版会

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大学の時についていた先生の退官記念パーティーに行きました。
懐かしい通学電車、通学路を通って。
5月の光と風の中で、やっぱり母校は特別のしんとした凛としたそれでいて華やかな空気を持っていて、校門に立つと憧れて入ってやりたかった勉学を思いっきり出来たことを今でもうれしく思う。

       

記念講演の題は「生命システムの形成過程について」。
私がいたときは細胞膜のたんぱく質の研究だったけど、ここしばらくはこの研究に移っていたらしい。
分かりやすく言うと「生命の根源について」。
生命の一番初めはどうやって起こったか。それを今までの主流の学説を覆して考え出したもの。

熱く分かりやすく語る先生の講義は昔と変わらない。
長年科学と離れて暮らしている私にも内容が伝わりました。

「どこから来てどこへ行くのか」は、人類の普遍の関心事。
元の元、物質から生命になる所はどうなっているのか。聴くだけでワクワクする。
理路整然としていて納得させられる。
この物の見方、理論の立て方、気の遠くなるような繰り返しの再現確認による立証。生命の神秘への探究心。
ああ、これだ。懐かしい。そしてそれらが今の私にも根付いて生きているのが感じられる。

この本はまだ持っていないので、手に入れてぜひ読もうと思います。

私は私で日々追究する。どこから来てどこへ行くのか。私の視点で私の切り口で。

               (注;私の母校は京都大学ではありません。)
Comments (2)
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神の目

2007-08-28 22:26:19 | サイエンス Science
皆既月食の日。
7時ごろからといううわさだったのに、うっかりして7時半に外に出た。
赤い暗い丸い月が雲の上に。
だんだん暗さが増してくる。

神秘的。

その後、雲が張り出してきて月が隠れてしまいました。
明るく満ちていく様子は観察できず、残念。

後で見てみるといつものお盆のようなお月様が浮かんでいました。

月が地球の影に完全に隠れているこの赤くて暗い状態を「神の目、EYE OF GOD」と言うらしいです。

今度の皆既月食は3年後の2010年12月21日だそうです。
寒そうだけど、是非欠けて満ちるところを観てみたいな。
Comments (3)
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玄武洞&城之崎マリンワールド

2007-08-02 22:50:01 | サイエンス Science
城之崎に行く前に「玄武洞」という所に寄りました。
富士山にあるように中に入って探検できる洞窟を想像していたら違いました。

階段を登ったらいきなり広がる、息をのむ光景。
巨大な岩壁がダイナミックに装飾されています。
でもそれが自然のものなのでした。

           

このうねるような波は溶岩が冷える時の対流の働きによって出来た棒状の岩で構成されています。
そのどれもが断面は六角形。

その一部が道の敷石にされていました。

       

それが私には亀の甲羅に見えたのでした。そこでピンと来た。
だから玄武洞って言うんだ。
中国の風水の言い伝えで四方を守るのは玄武(亀)、白虎、朱雀、青龍。
きっとそこから。

岩壁は4つあってそれぞれにその4つの聖獣の名前が記されていました。
やっぱりそうだ。
洞窟には入れなくて、外からの景色を見るもの。
洞窟探検好きの私にはちょっと残念。

その後、前にある博物館で資料のビデオを観たら、やはりこの形から名前は来ていてだからこの種類の火成岩を玄武岩と呼ぶ、と言っていました。
なんだか感動しました。
ずっと前から知っていた名前。
その名前の訳がわかって、そのルーツに触れたと言う。

その博物館にはかなりすばらしい鉱石の標本が数多く展示されていて、石好きの私にはとても興味深い所でした。

城之崎にはその他に「城之崎マリンワールド」という水族館があります。
これがまた水族館をこえる感じるテーマパーク。
魚が展示されているだけではなくて、その提示の仕方も説明の仕方も一風変わっていました。
1000キロもあるセイウチが目の前の水槽で、お兄さんの説明に合わせて芸をします。
それがなんとも面白く分かりやすく楽しい。

イルカショーはイルカだけじゃなくてお兄さんも一緒にプールに入ってジャンプしたり浮かんだり。
ピエロも出てきてのたのしいやり取り。

プロデュースはTDLと同じ?と思えるような大掛かりな映像探検ショーがあったり。
実際に海岸がコースの一部になっていたり
タイドプールではウニを手に乗せたりヒトデを観察したり。

私たちの一番のお気に入りはアジバー。
そばの生簀で釣ったアジをその場でさばいて天ぷらにしてくれる。
今まで生きていたアジが目の前で鮮やかに調理されて
それがまた柔らかくジューシーで美味しい!

       

水族館のスタッフの方々の心意気を感じました。
楽しかった。
また行ってみたい所です。




  
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