引越ししてしばらく経ちました。
夫婦とも疲れが出て、今週はゆっくりと休息を取っています。
それでも見つけて二人とも一回で惚れて住むことに決めたこの家はとても素敵です。
万博の頃に、その頃の技術と誇りと財産をつぎ込んで作ったに違いない昭和の遺産とも言えるこの家。
古くていろんなところに不具合がありますが、それでも日々その価値を深く感じています。
私たちは家を持つ事にほとんど興味がないので借りていますが、自分たちで住みよいように手入れをしてから入居しました。
キッチンが新しいです。初めて持つ理想のキッチン。
広いです。使いやすいです。本当に夢のよう。
管理会社からもベランダなどの修理が入っていました。
今回の引越しで、その改修の過程に立ち会えたのもとてもラッキー。
もともと職人さんの仕事を観るのがとても好きなので、思う存分観ることが出来ました。
それでわかったのが、職人さんの世界の分業制です。
水道ガス、電気、運搬、解体、設置、そして総監督。全部別の人がやっていました。そしてそれぞれの職人さん達の仕事の気持ち良い事!
ものすごい辛抱強さと正確さと美しさそして何より機転でこなす仕事。
本当にたくさんの人たちの働きによって私たちの快適な暮らしが作られて行くんだと言う事を目の当たりにして、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
この家には庭があります。主要部分は日本庭園になっていて、大きな岩や灯篭があり枯山水が美しいです。
それでも手入れが十分でなかったので、先日植木屋さんに入って貰いました。
植木屋さん。どこに頼もうかと考えていたら、偶然にお世話になっている園芸店に修行に来ていた若い男性が庭師でした。
「松の手入れが好き」だそう。それでぴんと来た。「この人にまかせよう!」
この庭の要の木が松です。初めて来た時に近江商人屋敷みたいでとってもかっこいいと思ったもの。
それに若い職人さんに仕事を頼む事には社会的な意義も感じます。
仲間の庭師の方と二人で朝早くから夕方まで2日がかりで庭を整えてくれました。
鳥が運んできた種から生えた、家に影響の良くない木も切ったり抜いたり、生かす木の枝を払って葉っぱをすいて。
木の性質、生えている位置、日当たりなどを考慮しながら、数年先、もっと先まで見据えての手入れになります。
そして空気と光が通らず籠った雰囲気の庭がすっかりと明るい風通しの良い庭になりました。
今は寂しいくらいの景色なので、何をどこに植えて行こうか考えています。
引越しして2週間くらいはただひたすら段ボールを減らすことを目標にいろんな物たちの配置を決めて納めて行く作業が続き、もちろん暮らしはして行きながら、やっと最近見える段ボールが減って落ち着いてきました。
注文していた家具も少しずつ届いて来て、だんだんと新しい家の形が出来上がって来ています。
今日は応接間にテーブルが来ました。
ここは応接間としての役割だけでなく、私が手仕事の講習などする時に使えるように準備しています。
まだまだ手仕事の道具の整理にまで手が回ってないので、しばらくかかりますが、近いうちに整えます。
どんな形でここで仕事をしていくのか、またあらためてお知らせしますね。
楽しみにしていてください。