ハンドワーククラブにて。
滋賀の北の方から来る列車の屋根に雪が積もっていました。とっても寒い!こんな日にみんな来るのかなあ?と思ってたけど来ていました。
今年最後のハンドワーククラブだけどいつも通りの感じで進む。合間に少し材料の整理をしながら。
私って手際がよくなったわ~、ここのお蔭で。なんて考えながら。
先週行った三宮の石の店、マスターは「買わなくてもかまわんから、いつでも顔見せて!」って言ってくれるので今年のお礼のあいさつに行った。
石をいろいろ見ながらおしゃべりしながら、糸を編んできれいな紐を作るのを教わった。マスターはお婆さんに教えてもらったらしい。こういうのって手から手へ教えないと間合いがわからない。彼には他にもアクセサリーの繋げ方や始末の仕方、皮の縫い方などいろいろ教わっている。石を買いに行くと言うよりいつも手仕事を教わりに行っている感じだ。
この日はある人が「ミサンガ作るわ。」と言って毛糸を組み始めたので、マスターに教わった組みひものやり方を見せたら何人かの人が「やりたい!」って集まってきた。私もまだ習ったばっかりで教えるまで行ってなかったけど一緒にやってみようと取り掛かった。それが面白い。
一本の毛糸がしっかりとした紐に変身する。結び目に糸を通して引っ張って行くだけで。
その手順は慣れたら繰り返しでどうってことないんだけど、体が覚えるまでは頭でやってたら苦労する。ああでもないこうでもないと言いながら考えて作って行くのが面白い。
これが出来るようになったら良いペンダントの紐やミサンガが作れると思う。
「この結び目にビーズ通したいなあ」なんて夢を語りながら頭も体も捻っている。
そんなことしながらそれぞれ来年の野望を語るうちに一日が瞬く間に過ぎる。
成人の日が休みだから2週間空く。午後のプログラムでも「年末年始の過ごし方」と言うテーマだった。クリニックが休みで外は寒く世間は華やかだから飲酒欲求や欝がぶり返しやすいらしい。
患者さんたちもなにげに心配そう。
「いいお正月を!」って言ったら「いいお正月なんてないねん!」って。それで「じゃあ、無事にお正月過ごしてまた来年会いましょう!」って言ったら「そうやな。」って。
この前のクリスマス会で作った箸も作る。これは本当に好評です。みんな満足げで晴れ晴れとした表情になる。
毎年のクリスマス会の特別ハンドワーククラブ。いつもは来ない人もたくさん来ます。この日だけ毎年来る人もいる。その人たちの感想を聞くことが出来た。
「しめ縄を真ん中の干支だけ替えて何年も使ってるねん。」
「クリスマスの飾りを何年も前に一回作ったのが私の人生の初めての手作りなんです。それがいとしくて大事にしています。」など。
そんなにか、とびっくりする。しめ縄はとんど焼きで焼いてると思ってたし、ほんの時間つぶしに楽しんでくれたらなんてくらいだった。でもその一回でもずーっと大事にして大事に思ってくれる人がこんなにもいるのがすごいことだと思う。
いつもクリスマス会のプログラムは私なりにとても大事にして夏ごろから考えて準備して臨んでるけど、それほどとは知らなかった。
「先生はこの2週間何するの?」って聞かれた。私はなんなりとすることがいつでもいくらでもある。羊毛の山をみればこれだけで2週間なんてあっという間だ。
彼女はその期間を持て余してるよう。途方にくれている。
古株の彼女が言う、彼女はしばらく離れていて今年戻ってきた「ここのお蔭でだいぶ楽に過ごせてん。ありがとう。」って
可愛い髪飾りを作っている彼女は小さなフェルトの花を見ながら「そうだよね、ちょっとでも楽しいこともないとね。」なんて言ってる。楽しい事ってこの髪飾りを作る事なんだって、「そんなんやったらなんぼでも作ったらええよ!」ってあわてて言う。本当にここがそんなに楽しくて生きてるのを感じられる時間で空間なんだったら本当に生かして欲しい。
この一週間、今日はたくさんの人にお礼を言われた。そんなに役に立ってるとはうれしくて私の方がお礼を言いたい。
来年もそうやってここがみんなの生命の心の泉になるように。いろいろとこの2週間策を練ろう。
無事にお正月を過ごしてみんなとまた会いたい。会えることを強く願いながらクリニックを後にする。「みんなとにかく生きててね!」