明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



2時間ほどしか寝ていないが、母が父の墓参りに行くというので、ついでに次号アダージョ用ロケハンに出かけることにする。特集人物が親戚の寺から200mの所に住んでいたというので、丁度出ていた散歩雑誌を持っていく。寺収蔵の快慶作と伝わる延命子安地蔵と、木喰上人の十一面観音像を見せてもらう。何処かにしまってあると思ったら、子安地蔵は開けっ放しで、法事のたびに奥に見えていたものであった。江戸時代に地蔵通りの名の元になったというのは散歩雑誌で知った。その奥に木喰仏。初めて真近でみる。母はこの後、一度家に帰った後、茨城の父の実家に泊りがけで行くという。外出したら済ます用事は一日に一件が基本の私に比べ、よっぽどアグレッシブな八十歳である。 従兄弟の副住職に、地元の人しか知らないであろう路地の入り口を聞いて散策に出かける。人がすれ違うのがやっとという路地から入る。奥は複雑に入り組んでいて、方向音痴にはとても無理。持っている地図も縮尺が小さすぎて私には役にたたない。取りあえずは、目星をつけていた場所にたどり着きカメラを構えるが、細い路地を携帯で写真を撮りながら歩くカップルや、何か美味しいもの食べましょ的女性の二人連れ、デジカメ親父が、行ったりきたりと引きも切らず。『お散歩ブームだか知らねえが、テメエラどいつもこいつも、いいかげんにしろ』と思っている私が、バッグにはお散歩雑誌、アダージョの“~を歩く”のロケハンなのであった。あそこのデジカメ親父も、私に向かって同じこと思っているに違いない。 寝不足もあるが、今日はあっちこっちの散策は無理と判断。改めて来ることにする。収穫としては、もう一人、私の手持ちの人物を共演させようと考えていたが、少々無理があるように思えてきた。そのかわり、脇役を別に作るという方向に傾いてきた。 早々に木場に帰り、K本で飲む。なにしろ肝心の首が完成しているとなると、こうして飲んでいても数日前とは気分は天と地である。

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