明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



延び々になっていた『潮騒』のヒロイン初江の撮影。準備をして初江役のAちゃんの実家へ。こちらの屋上で撮影することになっている。太陽ができるだけ真上に近い間に撮りたいが、Aちゃんが遅れるというので、長くなりつつある影を気にしながらお父さんと時間を潰していると、ようやく到着。ところが髪を切ってヘアースタイルが変わっていて慌てる。この動揺が収まるまでしばらくかかった。さらにズロースを忘れたというのでAちゃん自転車でヨーカドーへ。その間にAちゃんのお母さんの案内で屋上へ。水を撒きバケツに水をためる。本日は水掛役をお母さんにお願いしている。準備完了ということで、色々な場面を想定して撮影。あれだけ立ち会うといっていたお父さんは口ほどにもなく、どこかへいってしまった。想定していた海女のシーンは撮影完了。一度帰ってデータのチェック。夜7時半に、今度は夜の監的哨のシーンである。一階が店になっているので、机、椅子をどかして準備する。苦労して探した昔のシミーズ姿で再び水を浴びるAちゃん。昼間と違って今度は何故か父親が厨房の影に立っている。実に邪魔である。しかもそこはAちゃんの様子がまったく見えずに、撮影する私だけが見えるという、まったくなんのためにそこにいるのかわからないポジションである。父親の顔など見たら士気に影響がでる。一瞥もくれず開始しようとして、手が滑ってカメラを落としレンズが壊れる。マニュアルで撮ったが暗い中、合焦マークはでるので撮影を続けた。 終了後、私がレンズを壊したのはこの親父が厨房の影から妙な念を送ったせいだ、と内心思いながら二人で『釣りバカ日誌』を見ながら飲んだ。帰宅後チェックするとほとんどピンボケであった。まあそれはそれで良い。暗い焚き火の灯かりである。

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