明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



海女は当初初江だけにするつもであったが、クライマックスのシーンで静謐な雰囲気を強調するため、海女小屋や磯で、何人もの海女にワサワサと登場してもらうことにした。何人かに連絡する。海女役の依頼などというと新東宝のプロデューサーのようである。一人には断わられた。彼女には何も知らせていなかったが、都営地下鉄のフリーペーパー『中央公論アダージョ』など見たこともなく、インターネットとは無縁のアナログ派なので、私は数年間何もしていないと同じであった。近いうち個展を開くであろうことを伝えておいた。もう一人は快諾。彼女には田舎の海女の土俗的なエロチシズムを担当してもらうことにする。 アダージョ以来、まず背景を準備し、最後主役を作って背景に収める、という方法をとっているので、まだこれといって完成したものはない。友人から見ると『潮騒』だけに随分時間をかけているように見えるようだが、初江や海女など実物の人間の協力がいるし、海女の装束その他そろえるまでの時間がかかり、背景も房総まで行かないとならなかった。海女小屋ひとつ制作するにも時間がかかる。 今のところ12のストーリーを想定しているが、中にはたった1カットで終えるであろう作品が数点ある。まあ海女がワサワサなどというと、多少えこひいきして時間をかけてしまったとしてもしかたないであろう。そうしたものである。しかしあくまで静謐な雰囲気を強調するためなのである。

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