明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



拙著が届いたメールはいただくが、読む前にとり急ぎお礼を、という人が多く、読後の感想が存外聞こえてこない。ご近所のアルコール消毒友達のよしみで買っていただいた方など、朗読を聴いたので読まないで済む、なんて本音を漏らされる方は別にすれば気になるところである。私としては観たことのない書籍に、なんと評してよいか判らないのだ、と良いように解釈しているのだが。そこに『小説推理』“今月のベストブック”幻想と怪奇に、東雅夫さんに書評を書いていただいた。力を入れたところを的確に取り上げてもらうことほど嬉しいことはないが、さらに私ならでは、と試みた部分を“思わず呵々大笑い”と評してもらったところがまた嬉しい。なにしろ感心されるくらいなら呆れられたいと願う私は、江戸川乱歩を手掛けて以来、笑いというのは重要な位置をしめている。 そもそも男性というものは懸命に生きるほど自動的に哀しかったり可笑しかったりする奇妙な生き物で、私が男ばかり作っている理由はそこにある。女性制作に触手を動かされないのは、女性がそうではないからである。懸命に生きる女性に笑える要素などどこにもない。女性の噺家に無理があるのは当然のことであろう。女性の場合、そうとうな婆アに至って、ようやくちょっと可笑しい場合があるようである。

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