現在プリント6点展示中の金沢『泉鏡花記念館』で鏡花が愛蔵したキノコ図鑑『菌譜』が展示されるそうである。学芸員のブログには、潔癖症の鏡花は、麹町土手三番町の家では湿気でキノコが生えて辟易したと書いているのにキノコ図鑑を愛でるという矛盾~と書かれていた。やはりそうなのである。『貝の穴に河童の居る事』には潔癖症のわりに河童や血みどろの大魚イシナギの生々しさが印象的である。なのでこの2点にはこだわった。河童の撮影用には、用途は不明であるが某ローションを入手し、大魚は大きさはともかく、東北の鮮魚店から捕りたて本物のイシナギを入手し、血糊にもこだわった。明らかに鏡花は、気持ち悪いからこそ書く分には楽しそうだ、と私には思えたのである。このブログを見て納得した次第である。時間が揺れ動くような、鏡花の表現のやっかいなことに少々むかついて、河童に鼻水垂らさせ、鏡花の大嫌いなハエをとまらせたのは、私からのサービスとしておこう。
昨日のブログを見て友人から電話。「誰だお前にまだ女房をもらえとかいってる奴は?」「俺は孤独だなんてまったく気付いてないのに、女房もらって本格的に孤独になっちゃってどうすんだよ。」「ホントだよお前。」
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