眠れないまま朝。川口で金属加工の工場を営む友人に、こんな物できないか?とメールで問い合わせる。まるで拷問器具ではないか。というか拷問器具である。こんな物が作中に登場するのだからしかたがない。私が楽しそうに見えるとしたら、それは寝不足のせいであり、笑っているのは顔だけである。これを収める何か箱状の物がないか骨董商の○堂に電話をし、サイズや雰囲気を伝える。私の憂鬱が伝わってもいけない。せいぜい楽し気に話した。自信はないが演技はまあまあだったろう。 しかし主人公の作家自体、制作に入ってもいないのに、いくら出てくるといっても、少々フライングが過ぎやしないだろうか。胸に手を当てて考えてみるに、どうせやらなければならないのなら、嫌なことは先にやっておこう。おそらくそんなところであろう。なのに楽しそうに振舞う私。我ながら健気である。 昨晩は、あまりの憂鬱さに目が冴えてしまい寝付けなかった。寝付けないまま友人にメールをしたのであるが、私と違っていささか変態的要素を持つ友人は「面白い事考えてるな!!時間があるなら作れるよ!」と、私の気も知らずに無邪気である。おまけにこんな物も自分用に作ったのだ、と自慢気に、どんな使い方をするのか健全な私には見当も付かない器具の写真を添付してきた。作れるのが判ればそれでいい。しかたなく嫌々作るのだ、と気取られては、いくら変態的傾向を持つ友人だとしても失礼であろう。きっと友人は、私が喜んでこんな物を作ろうとしているのだ、と思い込んだに違いない。
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