明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



白石ちえこさんの写真の古典技法“雑巾がけ”による個展『ホエール ウォッチング』に出かける。東京の東側育ちの私は大田区はほとんど出かけた記憶がない。日が暮れる前に帰って来たいと思いながら電車を乗り間違えたりして遅くなる。私の方向音痴は不治の病である。 先日お邪魔したギター制作工房『ソングバード』の遠藤さんと初めて会った時に、一緒にいたのが白石さんで、当時はまだ写真を始めていなかったそうである。一方の私は、古典技法のオイルプリントに集中していた頃で、一日限定の99年の個展を別にすれば、2000年に『ピクトリアリズム展』を開き、同年技法の公開を主な目的として作ったのが当HPである。当時は一人荒野に立っている状態であったが、デジタル時代に突入し、その反作用で各種の古典技法を試みる人たちが増えた。そして白石さんが雑巾がけである。感慨も深い。 白石さんの作品は、古典技法を使いながら、今の風景を扱っているところが良い。私は当時、日本に古典技法の話し相手がいないので、海外のサイトのフォーラムのような物に参加したが、大半がアメリカ人で、日本のように廃れる時は徹底的に捨ててしまうのとは違い、状況は関係なく続けている点はさすがといえたが、いかんせん苔むした古城や南北戦争時代のような作品の、懐古趣味オジサンばかりで、すっかり幻滅してしまった。古典技法を扱いながら、それに“酔っ払って”いないところが白石作品の良さである。29日17時まで。 
遠出のダメージを癒すためにK本へ。閉店まで飲み、一度帰ってT千穂へ。カウンターには『相棒』のヒロコママでお馴染み深沢敦さん。座敷にはK本から流れてきたMさんがいて、今度作ろうとしている人物を訊かれてつい答えてしまった。当ブログのクイズにしようと思っているのだが。もっともMさんは、勘定を済ませた後に何度も「勘定すませたっけ?」女将さんの「もう一度もらってもいいですよ」。という毎度お馴染みの会話をしていたから、ちゃんと忘れてくれるだろう。K本の常連席で読んだことのある人は一人もいないことは断言できるし。

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )