明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



一昨日K本でGさんに「先生今何作ってんの?最近持ってこないね」。といわれた。この七十近いGさん。K本のイメージキャラクターともいえる人物である。聖路加病院で何度か心臓手術をしながら常連席で気持ちよさそうに酩酊している。 本を出したり個展などやると、その内容にかかわらず先生と呼んでしまうのは下町の老人に有りがちなことであろう。時代劇の用心棒じゃあるまいし。なんで70の爺さんに先生と呼ばれなければならないのか。本来私はGさんに“いっちゃん”と呼ばれていたが、さる事情があり、たまにしか呼んでくれない。Gさんは人に思いつきで愛称を付けてしまうが、Gさんに付けてもらってこそ、といえるだろう。中には悪代官などという、付けられた方には承服しがたいであろう物もあるが、まあいわれて見ればなかなか鋭い、といえなくもない。 私は制作中の人形の頭部をポケットに入れ、K本の常連に見せるのを常としていた。それが最近ない、とGさんはいうのである。周囲が、または当ブログを訪れる方々が、薄々感じていたであろうことを、あっさりいわれてしまった。「なんだよ。駄目だよそういうことはっきりいっちゃァ」。 以前書いたが、常に次にやりたいことが途切れなかった私が、河童の本を出して以来、作りたい人物がいても、今作りたくて我慢ができない程の対象ではなかった。となれば、しばらく中断していたオイルプリントの再開だろうと考えた。すべての作品データはオイルプリント化を前提としている。しかし再開するオイルプリント用に誰か作れないか、と考えていたのだが、ようやく棚からボタモチのように降ってきた。 この人物は写真は残されているが、すべて写真館で撮影されたものである。つまりそれ以外の像は誰も見たことがないので、私の創作の余地が大いにあるということである。何度か作ろうと考えたことはあったが、今こそぴったりくる。制作に入り、ある程度形になってきたら、久しぶりにクイズとしてみたい。ちなみに外国人である。

過去の雑記

HOME



コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )