明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


数ヶ月ぶりに麻布十番の田村写真へ。保管してくれていたモノクロプリントが売れたということでサインをしに。このジャズ・ブルースシリーズは人形と同時に写真を始めて発表した1996年当時の作品で、撮影期間は2か月そこそこで、ジャズ・ブルースシリーズの最後の個展となり、翌年に作家・文士シリーズに転向した。 伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンである。本人の実写は3カットしか残っていない。人形の顔は帽子の下5センチくらいしかない。モノクロプリントも珍しくなりつつあるが、廃盤になったコダックのエクタルアというペーパー自体が貴重で、改めてみていくらかグリーンがかったように見える画面に惚れ々する。これがなくなり、私はモノクロプリントへの興味が急激に失せた。作品の購入者は、つい最近、2本のドラマで観ていた役者さんで、そこまでやるの?とその役者魂に感心したばかりだったので驚いた。 本日田村写真におじゃました用件はもう一つ。私は立体作品を作っているわけだが、ここ数年浮世絵、日本画に興味が行っている。立体作品と平面的な日本画、矛盾しているような両者を融合させることが出来ないか。頭の中で堂々巡りしていた。日本画のように立体の印影を消せばいいか、というと。ことはそんな単純ではない。何ヶ月も前に田村さんに相談していたのだが、急遽田村さんのアイデアを従業員のFさんで実験。 圓朝師匠、あんたをずっと待たせてるのはこの方法がみつからなかったからなのだよ。さすが盟友田村さんは物の見え方が違う。 


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