明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



LEDの蠟燭の灯は展示用に作ったのだが光量も丁度良く、暗い幕末、明治の高座を再現した撮影にも使えそうである。岡本綺堂もいっているが当時の寄席は暗い。ただ清方や晴雨が描く寄席は客席にランプや大きい行灯が下がっているが、客席全体の明るさは日本画では判らない。ここは高座上の、両脇の蠟燭に照らされる圓朝の様子を見ながら全体の明るさを案配しながら撮影すればいいだろう。LEDの燭台は、撮影後蠟燭に灯を着けた実物の燭台に置き換えるのはいうまでもない。 撮影用に入手した照明器具も届いた。小さな人形を常に人間を撮るつもりで撮ってきたが、一方で、人間でない作り物を人間のように撮るというウソを付くなら、ウソならではの撮り方もあるのではないか、という漠然とした考えが常にあった。その一つの答えになるかもしれない。上手くいかなかったら、何事もなかったようにやり過ごすだけである。

HP

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