明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



最初に参考にした肖像画は、私が知っている顔とは違ったが、迫力があった。しかしいつもいっているように、本人が描いているからといって簡単に信用する訳にはいかない。本人が描いているからこそ信用できない場合もある。 自画像だけでも数種あり、みんな違う。他の画家の像も並べているうち、この部分はおそらくこうだったろう、などと、特徴が見えて来た。これは3人の門弟が描いた肖像画だけを参考にして取捨選択して制作した松尾芭蕉で経験済みである。結局、最初に参考にした肖像は、本人が描いているにも関わらず却下。これで方針が決まった。浮世絵が実は当時の感覚からすると、リアルに特徴を捉えていることに気が付いていなければこうはいかなかった。
私は毎年行ってきた行事は、唯一、K本の女将さんを囲んでの富岡八幡のお酉様であった。近年は女将さんの脚の具合を考慮して、女将さんはタクシーで向かってもらっていたが、かつては女将さんを先頭に、ぞろぞろ常連が連なっての行き帰りであった。しかしクーデターが起きて長年通った常連が追い出され、その行事は途絶えた。K本の熊手はそのまま古びていって貫禄だけ増しているようである。女将さんの様子だけが心配であるがしかたがない。しかし途絶えたまま、というのも寂しいし腹も立つ。そこで今年はK越屋のオヤジと俳優の今拓哉さんにお付き合いし、二の酉に向かった。今年は6人であったが、やはりしみじみとして良いものである。この習慣が新たに続くことになれば良い。来年はチリジリになったK本の落ち武者達にも声をかけよう。

オイルプリントプリント映像

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より

月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真

※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

HP

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )