明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

創作  


昨晩急に寒気に襲われ、これはまずい、とコンビニで辛そうな物を買い、さらに唐辛子をふりかけ早めに寝た。幸い応急処置が効いたようである。母親のいる老人ホームに、アメリカから帰った妹と今度一緒に行くことになっている。 頭部完成。何がすがすがしいといって、架空の人物や、写真が残されていない人物は、フィニッシュを自分で決められることである。むしろ写真資料が潤沢に在る場合はこうはいかない。 存命中の人物は書籍の表紙など、依頼が無い限りは作らない。私などより、3Dで本人をスキャニングして像を造れば良いのではないか、と思わないでもないが、むしろそれを写真作品にする場合の解釈を見せられるのが面白い。実在した人物は、依頼されないかぎり作らない、といっていながら始めてしまったのは、そんな画が浮んでしまったからである。本人はそんなことまでしなかったろうが、その人物ならやっていても不思議ではない、という画なのだが、架空ではなく、実在した人物は、その人物の伝説なりイメージを利用して創作できることが面白い。例えば十字路で悪魔と取引したおかげでギターが上手くなったというロバート•ジョンソンなど、当然十字路で悪魔を待っている写真など存在していないので、創作する面白さがあった。今回の人物など、やりすぎても昔の人過ぎて、どこからもクレームは来ないであろう。

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より

月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真

※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

HP

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )