明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



子供の頃は朝無理矢理起されていたので寝ぼけて夢と現実の区別がつくまで数分かかることがあったが、最近寝起きに考えることが案外現実寄りだったりする。撮影用に作る新作のポーズを、それにより若干ではあるが変えることにした。私の夢の特徴は、出演者、シチュエーションは現実的ではないが、私のすることセリフはあくまで私のいいそう、やりそうなことしかしない。よって犯罪が発覚しそうになった時に考えることは、いかにも私らしいし、逃走のしかたもいかにも私がしそうなことしかしないのである。今朝の夢は、なんで制作中のことに及んだかは知らないが、目が覚める直前だったせいか、ほとんど日中考えることと変わらなかった。よって目が醒めても「その方が良い」。もしかしたら、夢をみなければ予定通りことをすすめていたかもしれない。 今回の人物は、1作目を撮影専用に決めたことにより、手足を人間を撮影して合成することにした。この場合、拙著『貝の穴に河童の居る事』で柳田國男の手足に起用した酔っぱらいの干からびた爺を再び起用の予定である。土曜の午前中に撮影を予定している。この爺、休みの日は午前中から飲んでしまうので注意を要する。干物がアルコールで戻ってしまってはいけない。

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』より

月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真

※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

HP

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