明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



撮影用に集めた行灯その他、灯火器ばかりを並べてみたい。行灯皿や油壷も、開口部は被写体の方を向いているので、出番がなかなかない。まずはゲンセンカン主人でも使った有明行灯を平行遠近法にしてみた。普通の遠近法だと遠い物はすぼまるのをまったく平行に揃える。鈴木春信など律儀に平行である。ところがやってみたら、歪みの少ない標準から中望遠レンズで普通に撮ったようにしか見えない。馬鹿なことに、元の画像を広角レンズで撮ったために、かなりな加工を要し、結果的に広角写真を単に標準から中望遠写真にしただけ、という労多くして思ったほどの効果がない、というお粗末。1つには絵と違って写真ではあるので、リアルな分、これだけ変形させているのにも関わらず、取り澄ましたように普通に在るように見えてしまう。こうなると、遠くがすぼまらずにかえって広がって行く、逆遠近法ぐらい変形させないと、人間の目は修正してしまいそうである。画像処理は通常、より自然に見えるよう行う場合がほとんどである。しかし私の場合は、これだけ画像処理したのにさっぱり不自然にならない、と文句をいっている。すでにパーツごとに分解処理をほどこしてあるので、私の望みどおり、不自然な逆遠近法にはすぐなるだろう。逆遠近の程度をそろえるため。まずはすべての灯火器を平行遠近法で分解処理しておいて、最後に一斉に逆遠近にしたほうが良さそうである。こう書いていても訳の判らないことを一人ブツブツと、私はいったい何をしようとしているのか?、と思わなくもない。やってる本人がそう思うのだから、また個人タクシーのMさんにブログがつまらない、といわれるだろう。 夕方、馬喰町にあるルーニー247にて鈴木ノア『道化の森が眠る頃』ブロムオイルによる個展初日。労作が並ぶ。個人的にはカラスが大きく配された作品が、エドガー・ポーが現れそうで良かった。近々ワークショップも行われるそうである。月曜休廊19日まで。

月刊ヘアモード12月号 no・693
不気味の谷へようこそ第9回 脳内イメージを表す人形写真

※『タウン誌深川』25日“明日できること今日はせず”連載5回「芭蕉の実像」

※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

HP

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