明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



以前から耳に入って来ていたが、ここのところよく私の作品を壁に飾る人なんかいない、といわれる。確かに独身者ならともかく、という気はする。それに好きな小説家がいたとしても、本人自体の姿には興味がないから、という意見も複数の、特に女性にいわれる。いわれればもっともだが、長年続けて来た私にすれば、それをいっちゃお終いである。 蛸なんてグロテスクな物をまた、ともいわれるが、気持ち悪いといえば気持ち悪いが、葛飾北斎がフンドシも露に蛸に襲われながら絵筆を離さない、というのは画狂老人という感じで面白いのではないか。さらに蛸が本物でグロテスクな方が、だからこそ面白いだろう、とも。 私の人形作品を初期の頃から何十体も所有されている方がいて、震災の時、随分破損したのではないか、と連絡を取ってもらったら、全部、箱に入れてしまってあるから大丈夫、というお返事であった。こういう方もおられるのである。独身である私も、壁に飾るには様々な理由で差し障りがあるが、大事にしているコレクションはある。であるから、奥さんの帰省中や娘が学校に行ってる間に眺めては仕舞う。そんな作品であってもいいのではないか。家庭の団欒を彩ろうなんて作品は世の中にいくらでもある。



2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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