明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



TVの前でごろごろしていたせいで腰痛がでる。 最初に制作を始めた北斎の立像が、蛸にかまけて途中になっているのをいい加減完成させなければならず、友人宅から足を引きずりながら帰る。ギックリでなかったのが不幸中の幸い。頭部はとっくに出来ているが、蛸に絡まれながらも絵筆を離さず、口にも1本銜えている状態の口なので、蛸用にとっとと撮影し、口を直さなければならない。過剰な老人という設定である。私の大好物。 幼い頃から人物伝を読み続けて来たが、特に好きなのは、やり過ぎた人、はみ出た人、大き過ぎた人などが特に大好物であった。昔、今では潜入が容易でない、東大医学部標本室に潜入したのは文ちゃんこと、巨人力士、出羽ヶ嶽文次郎の骨格標本見たさであった。昔、段ボールかなにかに未整理のまま、牛か馬のような骨が突っ込まれているのが発見された。亡くなった時、遺族があわあわしている前で東大に運ばれ、解剖されてしまった。残念ながら出羽ヶ嶽の骨格は観られなかったが、広田弘毅のプレートが貼られたケースの中に、夢野久作の父、杉田茂丸夫婦の骨格標本がぶら下がっていてびっくりした。これまた様々な意味で大きな人物であった。

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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