明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

奇手  


三遊亭円朝像が完成する頃のブログを読むと、まだ心と身体がバラバラのようで、自分が何をしようとしているのか良く判らないまま、一歩一歩イメージに近づこうとしている。その頃の私が『蛸と画狂老人葛飾北斎』を見たら唖然とすることは間違いない。ザマアミロである。その私がさらに唖然とするようなことを、しでかさないとならない。 絵画と違って写真という手段を使って創作しようとすると正否を分けるのは虚実のバランスである。北斎では本物の蛸のリアル感に、北斎の身体や着物も本物を使わないとバランスが取れなかった。ポーの『モルグ街の殺人』はオランウータンが本物だからこそ良かった。しかし『寒山拾得』は実在したかどうかも判らない物語の中の住人である。ここに本物の虎は北斎の蛸と違ってどうも合わない。昨日思い付いたのは、もうこれしかない、という妙案である。虚実のバランスもこれで取れるだろう。私らしい奇手なので書きたいのだが、個展会場でお会いした方が、何年も前にブログでちょっと書いた事を覚えておられて、びっくりすることがある。「あれはどうなったんですか?」。 という訳で北斎の立像ペーパーがけ。来週早々着彩に入り、富士見の北斎の撮影もできるだろう。 

※2016年深川江戸資料館での朗読ライブ映像。
『人間椅子』
『白昼夢』
『屋根裏の散歩者』
ピアノ嶋津健一 朗読田中完

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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