明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



土曜日に『蛸と画狂人葛飾北斎』と『ゲンセンカンの女』を田村写真にプリントに行くはずが、北斎の頭部の処理に時間がかかり本日に。その間、手直ししたのでかえって良かった。やはり最後の一粘りが大事である。粘ったといえば変更4カット目の『ゲンセンカンの女』も。 超が付く出不精が、雪が降ろうと脚が痛かろうと、早く見たくて我慢できず田村写真へ。陶芸の学生時代、焼き上がりを早く見たくて、学校に忍び込んでちょっと窯を明け、急に冷えてピンピンと貫入(釉に入るヒビ)の入る音にビビって逃げた。様々な理由で私は陶芸家に向いていなかった。プリントを終えた田村さんが声を上げて笑った。これは私にとって作品の成功を意味する。見ると鮮やかさを別にすれば、江戸時代より以前の絵巻や絵馬のように見える。 葛飾北斎なんて手を出してはいけない、腹の中で葛藤しながらうつむいて歩いていたのはつい最近のことだったのだが。


※2016年深川江戸資料館での朗読ライブ映像。
『人間椅子』
『白昼夢』
『屋根裏の散歩者』
ピアノ嶋津健一 朗読田中完

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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