明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



特に背景は描かないことにしたが、原作が岩場で、北斎は大蛸をスケッチしていたら大小2匹の蛸に襲われ、しかしスケッチブックと筆は離さず、というシーンである。裸足でも良かったが、倒された勢いで草履が脱げた、ということで、空中に飛んだ草履を加えてみた。動きは出たが、あってもなくてもどちらでも良いのでこれは最後に決めることにした。後は北斎の首に着彩して、上に乗せるだけである。口にくわえる筆も画面内ですでに待っている。 一方立像の方は、杖に両手を乗せている。後は足首から下を仕上げ、草履を履かせ、全体の仕上げを済ませれば着彩に入れる。もう1カット構想ができているのは画室の北斎である。窓から遠くの富士。立像が眺めるのは北斎描いた富士の予定だが、こちらは実物を使いたい。しかし北斎像1点、画像2点に時間がかかりすぎた。3点目は後回しにすることになるだろう。 これが終われば寒山拾得図と行きたいが、本当にいいのか?少々急ぎ過ぎてはいないだろうか?迷わず行けよ行けばわかるさ、とアントニオ猪木もいっているが、猪木は一休禅師の言葉だと勘違いしている。 北斎を襲う蛸、一緒に成仏させたIさんが写真に収めていた。


※2016年深川江戸資料館での朗読ライブ映像。
『人間椅子』
『白昼夢』
『屋根裏の散歩者』
ピアノ嶋津健一 朗読田中完

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載6回「夏目漱石の鼻」

HP

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