明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



私が今後やろうとすることに関しては、技術的に不明なことはほぼない。一昨年から考え5月に発表した立体から陰影を消して撮影し、かつての日本画調になるという私なりのピクトリアリズムも、いきなりできた当初は頭がついて来ず、例によって、何だか判らないうちにできた、では馬鹿みたいなので、後に解明できたら、初めからそのつもりでやっていたことにしよう。といっていた通り、今ではすでにそんな顔をしている私である。しかしこの状態というのは、技術が思いにとどかないでジタバタしつづけた私にすると、実にあり得ない状態であり、これでさらに大リーグボール4号に取り掛かろうとさえしなければ、やれば思ったようなイメージを作りつづけられるはずである。そんな状態が果たして良い状態なのかどうか、あまり経験したことがないので良く判らない。そう思うと作りたい作家もいなくなってきた、このタイミングがどうも怪しい。つまり技術的なことは、その程度で充分であるから、あとは新たなテーマ、造形に挑め、ということなのかもしれない。とにかく性能の悪い頭を使わず内から湧いて来るものに従っていれば、人間だって自然物だもの、間違いはない。 ブルース・リーは“考えるな感じろ”といった。あんたはさすがに判っていたな。一方私はというと、頭を使って考えた、という顔をしたがる所が実に惜しい。

石塚公昭幻想写真展-生き続ける作家たち- 2018年7月25日(水)~9月2日(日)(火休)

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本日25日発行
『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載10回『劇場の永井荷風』

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