明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



隔月だと油断していたら12月になっていた。『タウン誌深川』に『大つごもり』樋口一葉を送る。大つごもりとは大晦日のことである。 工芸学校時代の友人からから忘年会に関する連絡。一年に一度顔を合わせるが、18~20で出会って、そう遠くない将来、誰かが誰かの棺桶を覗き込むことになるのであろう。 昔、独立することになり、新居、仕事場も用意万端、お祝いの晩に酔って吐瀉物を喉に詰まらせ亡くなった年上の同級生がいた。忘年会のメンバーも葬儀に出席したが、残された子供が意味も判らずはしゃいでいたのがいたたまれなかった。その子もすでに40くらいだろう。あの時のことを思うと、この中で誰が死のうと、すでにオッサンヅラぶら下げ、想定内の出来事、あれほどの痛々しさは無いに違いない、その点はなによりである。 高校時代のある日、徴兵制が敷かれる可能性について熱弁を振るう奴がいて、その日たまたまテレビで春風亭柳昇が『与太郎戦記』をやっていた。早く老いぼれて、使い物にならなくならないものか。そして気がついたらそんな域に達していた訳である。最も、あの当時でも、役立たずだったに違いないが。だがしかし、今週中にも懸案の撮影を予定しており、人にはいえないが、この期に及んで、まだ何も始まっていない気分でいるとは、御目出度いにも程というものがあるだろう。高校時代の私には、とても可哀想で伝えられない。結局、棺桶内の私の死に顔は‘最期まで苦労が足りねぇツラしていやがる’と通夜の席の酒の肴程度にはなるのであろうか。

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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家たち』 2018年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutube
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube

『江戸からの旅人、杉浦日向子の世界』深川江戸資料館葛飾北斎と古今亭志ん生像展示


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