明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



随分な量のフロッピーディスクが出てきた。そういう時代であった。あの頃は、部屋は片付けない割に、パソコン内は要らない物を、すぐに捨てていたが、要る物と要らない物の区別が付かず、動かなくなったりした。 太宰治の首が出てきた。都営地下鉄のフリーペーパーの表紙用であったが、交通局の発行ゆえ、酒、煙草は使えず、横に知人の女性に着物姿で立って貰った。しかし、植村直己の横にエスキモー犬でもそうであったが、犬だろうと、女性だろうと、
横にホンモノの純毛があると、人形の粘土製の髪の違和感が際だってしまい、太宰の時は、入稿日の朝、ベランダで手を伸ばして自分の髪の毛を撮影し、太宰に貼り付けた。 行方不明だったので、どこにも出品したことはない。久しぶりに見たら良くなっていた。そういえば、改良をした記憶がある。 さみしい風景に一人立つ、スカシた太宰と、飲酒時の駄目な太宰と、二種類作りたくなった。スカシた方はともかく、酔っぱらいは取材データ充分であるし、駄目な方は、洗面台の前で良くみかける。


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