1999年に、アーティストが一人一日づつ個展をするという展覧があり、初めてオイルプリントを発表した時のビデオが出てきた。翌2000年の『ピクトリアリズム展』の予告編のような物で、人形ばかりを被写体としたら、何だか判らないだろうと、解り安くただ撮った、みたいな作品も敢えて出品した。この時重要な出会いもあった。会場にパソコンが置いてあり、会場の様子をネット配信するという試みであった。初めてインターネット画面を見た。ワープロすら触った事がなかったが、翌年の個展では、フォトショップで合成したデータで、印刷用フィルムをネガに、オイルプリントを発表している。人形も作らないでこんな事に熱中している罪悪感から、大正時代のピクトリアリスト(多くは富裕なアマチュア)を倒す位の気概を持ってやったものである。連中と同じ事をしても勝てない。ゼラチンを厚くして階調を出やすく、デジタルも使ってやったぜ!と。デジタル時代の昨今、その反作用か、古典技法花盛りの現在であるが、二十年前にド素人が一人、孤軍奮闘、爆走していた訳である。いずれYouTuberで公開しよう。
| Trackback ( 0 )
|