朝目が覚めると、まず水槽を見にいくのだが、金魚からすれば、私は自動給餌装置に過ぎない。最近は金魚関連のユーチューブばかり見てしまうのだが、ウチの連中のように常に餌くれ、と落ち着きなくジタバタしているのはいない。何故うちの水槽では、優雅に行ったり来たりしないのであろうか。餌が良くないのか?なので、朝、すぐに水槽を見るといっても、まずは戸の陰から、巨人の星の明子姉ちゃんのようにそっと見る。見つかったら、もうアマゾンのピラニヤの如き状態である。朝食の前に餌をやらないと、連中のこんな様子を眺めながらでは、とてもじやないが、落ち着いて朝食はとれない。しかし餌をやつても、私が食べ始める頃には、もうジタバタやっている。金魚には胃袋がないそうだが、そのために満腹感もないのかもしれない。それでも私が食べ終わる頃には、多少あきらめはじめるが、立ち上があったり、何かを取ろうとする動きをすると、、ハッとした顔でこちらを見る。という訳で、落ち着くまで長居をすることになる。 以前飼っていた熱帯魚フラワーホーンという魚種は、遺伝的に無理して作られたからか、30センチくらいになると、理由がわからないウチに死んでしまうのだが、頭が実に良く、まるで水中で犬を飼っているようで、頭を撫でる事までできた。夜中にトイレに起きると、こちらを見る。私が振り返ると、向こうも見る。まさかと思ってトイレに起きるたび、何回も試したが、振り返ると、向こうと目が合うのである。つまり少なくとも、私の後頭部と目が付いている正面の区別が付いているのである。目が合うといえば、以前も書いたが、キップリングの『ジャングルブック』に猛獣が、人間の目を怖がる、とういような描写があり、真に受けた小学生の私は、上野動物園で各猛獣に睨めっこを挑んだ。魚と違ってこちらは相手にされなかった。
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