明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



搬入直前に屋根の仕様を板葺きから茅葺きに変更とは。一度記念館に納めたら、屋根と本体を固定してしまうし変更は利かない。板張りも馬糞紙を水に浸けてあえて板の歪みを演出したのだが。 計三期の芭蕉庵、茅葺きより原始的で費用もかからない板葺きがあってもおかしくはない。しかし草庵のイメージといえば、茅葺、藁葺きではある。イノシシが出て廃村になった村で茅葺きの家に住んだこともあるが、刈り込まれた断面に厚みがあった。しかし後世に描かれた物てはあるが、そこに描かれた多くの茅葺きは、茅を集めてただ被せたような、ヅラを被せたような、キチンと刈り込まれた茅葺きではなく、素朴な、如何にも草庵である。これならば可能であろうと判断した。 数々の芭蕉庵の図で、承服出来ないのが、四角の箱を地面にただ置いたような庵が多いことである。当時の海辺の湿地帯である深川において、床下に湿気の逃げ場がなく、まして台風時などこれではひとたまりもない。台風のたびに水が出た昭和三十年代、葛飾区某所生まれの私からすれば、深川に来たこともない地方の絵師が後年想像で描いたとしか思えないのである。 着彩を進めながら屋根の大改造に着手。本当に良いのか?

 



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