明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



様々なことをすっかり忘れてしまうわりに成功体験を忘れないのが日本人である。ロシア艦隊を破ったせいで、役立たずな巨大戦艦を作ったり、64年の東京オリンピックが忘れられない。私も競技自体は心躍った甘美な夢として記憶しているが、その挙げ句の東京の変わり様は、私から故郷への愛着を失わせ、東京がどうなろうとほとんど関心がない。ただし東京湾が控える東側は、季節の変わり目など懐かしい空気の匂いがする。 昨日、かつての飲み仲間が集まったので人形の首九つ持っていく。鯉に乗る琴高仙人を忘れた。この調子で頭部を仕上げていき、夏には一斉に身体部分に取り掛かる予定である。明日には一休が竹竿に掲げるしやれこうべを作る予定にしている。後は龍か。となると本物の虎は合わないだろう。こうやって風に流され、予定の着地点と違うところに立つことになるだろう。そして初めからここが予定の着地点だった、という顔をするのである。



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