明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

対策  


寒山拾得は、笑っているようで笑っていない、笑っていないようで笑っている。見りゃ判るだろ、といえばそれまでだが、どちらか判然としない表情は気持ちの良い物ではない。そこには人間の、または物事の二面性を象徴しているのではないか。これは一休禅師の“目出度くもあり目出度くもなし”に思い至らなければ、未だにボンヤリ水槽の金魚を眺めていただろう。 寒山と拾得、どちらが寒山で拾得か、なんとか決まった。ここまで来れば、すでにおおよそ完成している計10個の頭部の精度を上げながら、虎をどうするか考えることにする。1猫を虎に変える。猫が思ったようにポーズしてくれない。2粘土で作る。最低二種は作らなければならず、気が進まず。3動物園の虎を撮影し使う。(エドガー・アラン・ポーのモルグ街の殺人でオランウータンで経験済み)立ち姿、寝姿、共に撮れそうだが、この場合、龍を作って龍虎図が出来ない。作らなければ済むのだが。



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