明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



曽我蛇足が描いた一休の斜め視線、珍しいが、これが実に一休らしい。特にしやれこうべを掲げて”門松や目出度くもあり、目出度くもなし“の、ただ目出度い気分の世間に異を唱える一休には相応しい。全身像にしようと思っていたが、腰から上、竹竿の先のしやれこうべまで、背景はなし。足下まで描く必要はないだろう。 ねだって買ってもらった大人向けの『一休禅師』小学4年にもなると、大きな活字と子供向けの挿絵に拒否反応が生じて来た。大人だろうと子供だろうと見える物は同じだろう。それを子供向けの挿絵にするのが、私には“余計なお世話“であり、未だに童画的な物に拒否反応がある。 子供の私が筋肉を描いているのに大人が何故描かない?!子供のままにしておいた方が大人には都合が良いのだ。そこに気が付いていたので、ずっと息を潜めて小学時代を過ごした。そう思うと一休の“門松や冥土の旅の一里塚目出度くもあり目出度くもなし”にことのほか私が反応したのは、それが本当のことだったからであろう。この期に及んで良く出来た再会である。


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