建長寺の最深部に開山、蘭渓道隆が坐禅をしたという坐禅窟が残っていることをYouTubeで知った。私が作っているのも坐禅中であるし、まさに私の出番ではないか。七百数十年前の開山が坐禅する光景を再現するのは私しかいない。一般には公開していないようであるが、いざとなればユーチューバーが撮っているのだから、何かしら方法はあるだろう。と思ったのも束の間であった。 現在壁を背にする臨済宗の坐禅だが、蘭渓道隆の時代は開祖達磨大師と同じく壁に向かって坐禅をしていたようである。坐禅窟の中に蘭渓道隆を配するとなれば奥の壁に向き、こちらに背を向けることになる。顔が人形の命ならば私の写真作品も当然そういうことになる。実に残念であるが、この場合は、知らないで作ってしまいました。といえる話ではなく、画になれば良い、という話でもさらにない。