長期的な予定は立てず、と決めていたのに、ネット上で余計な資料を見つけ注文してしまった。ネット上の各所で上中下を見つけたが目次を見てまずは下を。幼い頃から大好物の伝記、逸話の類である。先の予定を立てるのはまだ早いと抑えていたのだが、誘惑に負けてしまった。 蘭渓道隆の顔の最終調整、最後の一ニュアンスを加える。以前も書いたが、文学賞の受賞者の一覧を見ても、ほんの短い間に個性は薄くなっているように私には感じられる。まして七百数十年前に来日した宗時代の中国人である。私が最も実像に近いと判断した肖像画は、なかなかユニークなご面相である。何体か残されている木像(それぞれ顔が違う)には生な感じに欠けている。原因の一つは肖像画だけが蘭渓道隆の生前に描かれていること。もう一つは私の想像だが、当時の絵師、彫刻師はおそらく師の写し、模写が主な修行だったのではないか?私は人形は人形に写真は写真に学ぶべきではないと考えている。独学我流者が同じ轍を踏む訳には行かない。