撮影用にヤフオクで入手した行灯。なかなか妖しい。以前、小型の行灯を持っており、低いお盆にお銚子で、寝床で本を読みながら日本酒を飲んだものだが、当初シミジミとして鏡花など読むには良い、と思ったが、お銚子でチビチビがだんだん面倒になる。一升瓶に茶碗酒だと、これもイチイチ起きるのが面倒。そうだヤカンが良い、と思った時点で行灯で寝床の飲酒は止めた。 夕方より人と会う。昔、某作家を怒らせ、謝罪にいった話を聞く。訪ねると野球中継の大きな音、呼び鈴押しても誰も出てこない。時間をつぶして何回目かに、友人と飲みながら野球を観ていた、とようやく入れてくれるが、どこもかしこも本だらけ。謝罪に来たのだからと正座するとその下にも本。先ほど友人が飲んでいたコップを洗うこともなくウイスキーが注がれ、脚も崩せず2時間だったそうである。この手の話は人事だと面白い。私は昔、宣材として貸したポジフィルムを無くされ、謝罪を受けたことがある。間に入った男とは未だに付き合いがあるが、帰りに◯◯の仕事は二度とあるとは思うなよ。といっていたそうである。実際に仕事は来なかったが、男は後にサーフボードが頭を直撃、亡くなったそうである。「あいつあの時、高級チョコレートなんか持って来たろ?あれがいけなかったんだな」。
石塚公昭HP
『タウン誌深川』“常連席にて日が暮れる”第5回