私の知る某所でこんなことがありました。
毎日海に出て、毎日トレーニングを重ね、そんな青年達のところに一週間の合宿でやって来たのは小柄な15歳の女の子。
その施設の行う訓練の厳しさは有名ですが、強風から微風まで、元々世界的ヨットレーサーを育てる学校でもあった訳ですから、レースを含めて激しい訓練が毎日行われています。
さて、そうしたトレーニングを受けて来た青年達、中には身長が180Cmを超え、体重も8kg以上とその女の子の倍近い子もいます。
そこでは訓練にディンギーを使用しておりますが、何故かというなら容易に扱えるようにはならないからです。
一般で思われているのとは大きく異なり、ヨットの世界は大型より小型の方が難しく、特に操艇の難しさはディンギーが一番、しかし逆にディンギーをパーフェクトに乗りこなせることは、どんな大型ヨットも容易に動かせる事を意味しているます。
なぜなら、ディンギーはバラスト(船体を安定させる錘)がない分、簡単に沈し、風に対して敏感で操作と艇の動きが密接に連動しています。
常に緊張を崩さず、瞬時で判断して操作が出来ないと、まともに走らせることも出来ないという乗り物なのですね。
また艇の大きさと体重がダイレクトに関係し、風の強さに対してハイクアウト出来る重量の重さ分を推進力へ変換できる事から、大人用のディンギーでは重い方が当然に有利。
体重の軽い女の子では圧倒的に不利というのが常識です。
女の子はほぼ一週間という滞在期間でしたが、そこでは数回、数日に渡りレースが行われました。
レース前、青年達を指導しているコーチから「絶対に女の子にだけは負けるな!」と、しっかりハッパをかけられた青年達、「大丈夫ですよ!」と全員が自信満々。
さて、沖合で始まったレース、海上スタートからまず飛び出したのは青年達、少し遅れて女の子。
このまま、常識通りに体重と体力に勝る男の子達がレースで圧勝・・・・と、なるはずだったのですが・・・。
第一マークを廻ったところでトップを走っている青年をわずか体重40kgの女の子がかわし、以降どんどん引き離してそのままゴール。
これでムキになった青年達はそれまでの笑顔が消え、余裕はどこかに飛んでしまい、小さな女の子相手に真顔で食らいつくも、圧倒的な上がり角度と次々繰り出してくる戦術(レーシングタクティクス)に次々と巻かれ、コースから押し出されたり、スタボー取られて頭をつぶされたり、ただただ惨敗の繰り返し&情けない+みっともない。
結局、青年達は一度も、女の子の前を走る事なく全レースは終了しました。
たった15歳のしかも小さくて体重も軽い、どう考えても負けるはずの無い女の子相手に全く太刀打ちできないという、青年達には現実という鉄槌が振り下ろされたわけです。
コーチ達はそれを分っていてレースを行わせた訳ですが、実はこの娘、ついこの間まで世界レースに出場するための練習を積んできたわけで、レースに勝つための戦術が全て頭に入っています。
ヨットレースは知・体力・勘・運の総合力そのものであり、ヨットをいかに早く走らせられるかという操艇技術はもちろん、レース運びや戦術を構築してそれを仕掛ける技術と度胸、それらが全てバランスよく出来ねばトップを走ることは出来ません。
言い換えると、ただ腕力に勝った青年達による力業では、頭脳を駆使した実戦闘の前には全く歯が立たないのは、当たり前の事でもあるわけです。
さて、恥ということを知った青年達、この先自分のどこに問題があるのか?、そして自分はどうするべきか?、それをこの経験から大いに学んでもらいたい、と僕は思うのですね。
毎日海に出て、毎日トレーニングを重ね、そんな青年達のところに一週間の合宿でやって来たのは小柄な15歳の女の子。
その施設の行う訓練の厳しさは有名ですが、強風から微風まで、元々世界的ヨットレーサーを育てる学校でもあった訳ですから、レースを含めて激しい訓練が毎日行われています。
さて、そうしたトレーニングを受けて来た青年達、中には身長が180Cmを超え、体重も8kg以上とその女の子の倍近い子もいます。
そこでは訓練にディンギーを使用しておりますが、何故かというなら容易に扱えるようにはならないからです。
一般で思われているのとは大きく異なり、ヨットの世界は大型より小型の方が難しく、特に操艇の難しさはディンギーが一番、しかし逆にディンギーをパーフェクトに乗りこなせることは、どんな大型ヨットも容易に動かせる事を意味しているます。
なぜなら、ディンギーはバラスト(船体を安定させる錘)がない分、簡単に沈し、風に対して敏感で操作と艇の動きが密接に連動しています。
常に緊張を崩さず、瞬時で判断して操作が出来ないと、まともに走らせることも出来ないという乗り物なのですね。
また艇の大きさと体重がダイレクトに関係し、風の強さに対してハイクアウト出来る重量の重さ分を推進力へ変換できる事から、大人用のディンギーでは重い方が当然に有利。
体重の軽い女の子では圧倒的に不利というのが常識です。
女の子はほぼ一週間という滞在期間でしたが、そこでは数回、数日に渡りレースが行われました。
レース前、青年達を指導しているコーチから「絶対に女の子にだけは負けるな!」と、しっかりハッパをかけられた青年達、「大丈夫ですよ!」と全員が自信満々。
さて、沖合で始まったレース、海上スタートからまず飛び出したのは青年達、少し遅れて女の子。
このまま、常識通りに体重と体力に勝る男の子達がレースで圧勝・・・・と、なるはずだったのですが・・・。
第一マークを廻ったところでトップを走っている青年をわずか体重40kgの女の子がかわし、以降どんどん引き離してそのままゴール。
これでムキになった青年達はそれまでの笑顔が消え、余裕はどこかに飛んでしまい、小さな女の子相手に真顔で食らいつくも、圧倒的な上がり角度と次々繰り出してくる戦術(レーシングタクティクス)に次々と巻かれ、コースから押し出されたり、スタボー取られて頭をつぶされたり、ただただ惨敗の繰り返し&情けない+みっともない。
結局、青年達は一度も、女の子の前を走る事なく全レースは終了しました。
たった15歳のしかも小さくて体重も軽い、どう考えても負けるはずの無い女の子相手に全く太刀打ちできないという、青年達には現実という鉄槌が振り下ろされたわけです。
コーチ達はそれを分っていてレースを行わせた訳ですが、実はこの娘、ついこの間まで世界レースに出場するための練習を積んできたわけで、レースに勝つための戦術が全て頭に入っています。
ヨットレースは知・体力・勘・運の総合力そのものであり、ヨットをいかに早く走らせられるかという操艇技術はもちろん、レース運びや戦術を構築してそれを仕掛ける技術と度胸、それらが全てバランスよく出来ねばトップを走ることは出来ません。
言い換えると、ただ腕力に勝った青年達による力業では、頭脳を駆使した実戦闘の前には全く歯が立たないのは、当たり前の事でもあるわけです。
さて、恥ということを知った青年達、この先自分のどこに問題があるのか?、そして自分はどうするべきか?、それをこの経験から大いに学んでもらいたい、と僕は思うのですね。