今日でちょうど1週間になる。
そう、一週間前の木曜日、午前中一般質問を出しに行ってきたPapasanがふらふらする、と言って寝てしまった。夕べ遅かったから、と気にもしないで、昼食の支度をした。クレープを焼いた。私のクレープは生クリームを使った、やわらかいもの。具には野菜炒め、チーズ、カスタードクリーム、ジャム。飲み物は紅茶。焼きあがったので、食べようと呼びと、起きてきてテーブルに着いた。野菜炒めを具にしてクレープで包み、口に持っていって、飲み込めない、と言った。えっ、飲み込めないの?じゃ~、紅茶を飲んだら?それも飲み込めないという。驚いた。固形物はどうであれ、水分も取れなければ、死んでしまうよ。まだ死ぬのはもったいないよ。お釈迦さんの歳(「80)まで生きるんだろう。医者に行ったほうがいい。木曜日はひと月に一回ぐらいだが、数値を見てもらっている先生の診察日だからと、予約はないが、診てもらいに行った。
帰ってきた。CTスキャンも撮ったが、なんでもない、どうして飲み込めないのか分からないという。明日、脳神経科の先生が来るから、と予約を取ってきた。嚥下障害か。ずいぶん昔のことになるが、保健所勤務のHさんから老人の嚥下障害についてはよく聞いていた。しかし、実際問題、嚥下が出来なくては困る、命に関わる。心配していたら、夜中に牛乳を飲んだ、飲めた。よかった、よかった。
翌金曜日、10時半の予約に一人で出かけていった。帰ってこない。そんなに時間がかかっているのかと案じていると、4時過ぎ、即入院という電話が入った。幸い息子がいてくれたので、取るもとりあえず、寝巻きと着替えを持って病院へ駆けつけた。7階のナースステイションで部屋を教えてもらい行くと、本人は検査とかでいなかった。オーシャンビューの個室。窓からは初島が正面に見え、景色はいい。バストイレ付き。冷蔵庫もある。あら、ビジネスホテル並ね。テレビはあるが、カードを買わなければならない。ロビーで売っていたので買ってきた。テレビカードは1枚1000円。入れるとちょうど水戸黄門をやっていた。
戻ってきた本人は鼻から胃に管が入れられ、腕には点滴、嚥下できなければ、当然、こうなるよね。寝巻きに着替えさせ、売店でスリッパやコップなどを買ってきた。金曜日、検査段階もあって、病名ははっきりしまいが、一応、議会事務局にはかくかくしかじかで入院してしまった、と知らせておいた。初めての欠席だ。土日は役場は休みだし、月曜日の2日からの議会が始まる。3月議会は予算議会だし、最初は予算書の説明だから、いなくても問題はない。私は内容はよくわかっているから、代わりに傍聴しておいてもいいのだが、でも質問出来ないし、足もまともじゃないから、行かないけど。
土曜日、朝から電話が入った。集中治療室に入れられている、家族が付いていてくれれば、部屋にもどってもいいとうから来てくれという電話。取るもとりあえず、自分用に紅茶やお茶、パン、ブルサンを用意して出かけた。先生にうかがうと脳梗塞がある。寝ている間に呼吸が停止してしまう危険性があるから、夜も付き添ってほしいといわれた。相変わらず、何で、何でと先生を質問攻めにして困らせている。泊まりになるとは思わなかったから、自分の着替えなどは持ってこなかった。本やパソコン、DVDプレイヤーはもって行ったけど。
病人は流動食が入れられ、点滴もしているので顔色もいい。頭もしっかりしているが、いかんせん嚥下が出来ないのが困ったこと。Papasanはベッドで予算案を読んでいる。私はアフリカ史を読んでいる。ときおり外を見ては初島航路や大島航路の船の出入りを楽しんでいる。この病院、国際福祉医療大学病院は、以前は国立病院だった。熱海っ子の私はここには来ていた。しかし、ここに限らず、病気で入院したことはない。風邪を引いたとか、眼科や皮膚科、耳鼻科のお世話にはなるが、大病はない、この歳までよくぞ、言ってみれば健康なのである。Papasanもそうだ。去年から、町の健康診断で数値が悪くて、町診療所の紹介でここに通いはじめてはいるが、病気で入院したことはない。だから入院しただけでも驚きなのに、嚥下できないなんて、驚きもいいところだ。
入院の書類を書いて、保証金をつけて窓口に提出してきた。こんなこともはじめての経験。
野次馬精神を発揮して病院を探検、といっても足を引きずりながらだけど。レストランもある。お昼に山菜そばをを食べてみた。日替わりランチメニューがある。次はあれを食べよう、なんて思いながら夕食を聞くと、5時でオーダーストップだという。まさか夕食を5時では早すぎる。料理は持ち出し出来ないというので、夕食は持ってきたパンでいいことにする。7階のロビーには電子レンジ、トースター、熱いお湯が出るポットがおいてある。ただしレストランは日曜日は定休日。朝はいつもと変わらぬ食事が出来たが、昼はどうしよう。坂を上がって、通りのすぐ前のKKR間に食事に行った。なんとここはメインは中華だった。1450円の点心ランチをとったけど、私の口には合わなかった。
夜、先生が様子を見に来てくれたので、明日、私は家に帰ってもいいか、取りもとりあえず出てきてしまったので、着の身着のままだし、用事も残っているから、と言うと、梗塞の方は大分よくなっているから、もう大丈夫、と許可が下りた。忙しい息子が朝のうちなら迎えにいけるというので、早々に帰ってきた。まず掃除、洗濯、片付け、挙句にシフォンまで焼いて、しっかり疲れてしまった。でも家のベッドで寝るのは眠れる。
家だとネットが思うように使えるので、嚥下障害やら、脳梗塞やら、と引き出して読んでいる。そう、嚥下のリハビリに言語療養士というお兄さんが来てくれた。喉チンコは唾を飲んだり、高い声を出すと上がるというので、野次馬も一緒になって喉チンコに手を当ててやってみている。そこで言語療養士をいう人がどういう専門の人かと調べたら、今は言語聴覚士というらしい、国家試験がある、専門職で嚥下障害の専門でもあることがわかった。氷で口内を刺激している。なら好きなアイスクリームを買ってきてやろうか。口に入れれば冷たいし、自然の溶けるから少しは飲み込めるかも。アイスをひとさじ口に入れたが、まだ飲み込めず出してしまった。
毎日、病院通いをしている。車で送ってもらっているし、行ったところで用事があるわけでもないのだが、何にも用がないのは、これが意外と疲れる。帰れば、扶養家族の世話で結構忙しいが、しかし夜は家にいるので、疲れは取れる。
一週間分思い出して書くのは、もう飽きた!一週間、過ぎてみればあっとだが、一週間ぐらいで退院できると思っていたから、荷物も増やさないよにしてきた。嚥下できれば帰れるのだが。