なぎのあとさき

日記です。

殿の多忙な一日

2005年01月12日 | 猫トーク



今日は母君がいつまでもベッドにいる。
母君は一人では寒いらしく、余が側に行ってやると喜ぶので、
首もとを暖めてやる。
母君と二人きりになると余の全身はゴロゴロと鳴り出すのだが、
この音で母君はいつも眠りにつく。

母君の具合が悪いからなのか、
爺やも今日は家でばかげた仕事をしている。
爺や宛にファックスというものが次々届くのだが、
この受信が始まると放っておくわけにはいかない。
最後に紙を切り取るカッターなるものの動きが、
曲者のように思えて仕方ないのだ。
紙が出てくる様子も見ていて飽きないが、
カッターが動くのを待ち受けて、止めてやろうと手を出す。
すると爺やが「何してるの! 危ないよ!」と駆け寄って来る。
曲者を退治してやろうというのに、無粋な奴よ。
数枚のファックスの受信を見届けた余は、
重要なミッションを完遂した後の、晴れやかな気持ちになる。



次に爺やは、ビデオなるものを動かしたが、
それもガチャガチャと不信な音がするので放っておけない。
余が怪しく動く数字にテイッと手を出すと、爺やが笑っている。
余をばかにしているのか。腹立たしいので、畳で爪をといでやる。

ピンポーン。敵だ!敵の襲来だ!逃げろ!と余がいう前に、
町娘の妹達はさっさとベッドの下やらソファの下に隠れている。
「3560円になります~、ハイ、ありがとうございました」。
敵は爺やが追い払ったようだ。大した敵ではなかったらしい。
母君が起きて、夕食が始まるが、折りしもファックスの受信が再開し、
余は食事どころではなく張り込みを開始した。
ミッションが終わる頃、余が食卓へ行くと、
余の皿に妹達が入れ替わりたちかわり顔を突っ込んでいる。
品のない妹達を見て嫌気がさし、食事をする気をなくす。

食事の後、母君がまたベッドに戻ったので、余も行って暖めてやる。
すると妹のビーが来て、母君と余の間に割り込んできた。
その図々しさに嫌気がさし、布団から出て壁で爪をとぐ。
母君が「こら、やめなさい」というが、
いつもに比べて声が弱弱しいのが気になるので、
爪をとぐのはすぐにやめ、母君のもとへ戻り、ビーを追い出す。
ビーも元気のない母君が心配なのか、
枕元にうずくまって肉球を母君の顔に当てていた。
末っ子のモンは母君の不調などどこ吹く風、
一人でつまらなくなると母君の上をドスドスと歩いて遊びに誘おうとする。
だが「モンチンごめん、今日は遊べないよ」といって母君は寝てしまい、
余も眠りについた。

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