なぎのあとさき

日記です。

天狗の山へ

2009年11月04日 | お散歩
11月の4連休は、
1日出かけては、1日のんびり、
を繰り返す。
なぜか2日の天気がくずれた日に、
あえての高尾山。
ダーは仕事。

イポリートの独白からこっち
盛り上がりっぱなしの「白痴」を読みつつ、
Cと待ち合わせの駅につくと、
小雨が降り、
おまけにCは重めのオーラ出まくり。
でも、行ってみる。

八王子並木町のイチョウは、
全体に紅葉が始まっていて、
緑から黄色のグラデーションは
目の覚める眺め。
ハナミズキの赤い紅葉も、
葉が大きくてきれい。

山の上に行くと、雨は降ってなくて、
ところどころで霧が噴出していた。
ナチュラルミスティックに誘われて、
奥へ奥へと行ってみる。
天候のせいか人も少なくて、
濃い霧に包まれた山道は幻想的。
フワフワと、雲の上を歩いてるみたい。

薄暗かったので、
紅葉はあまり印象にないけど、
木の幹の太さに目をみはった。
背の高い木々の枝のささめきは、
やっぱり海の波の音に似てる。

お寺で天狗の像に会う。
建長寺の山の天狗は「よ!」と
きさくな感じだけど、
高尾山の天狗は厳しくて、
手をあわせる。

山の上には、
期待してた「狸のいそうな里の秋」
はなかったけれど、
ミストに身も心もすっかり洗われて、
「天狗に抱えられてフワフワ飛んでる感じ」
を味わう。

日が沈んで暗くなると、
霧の中にぼんやりとにじむ
灯りをたよりに歩く。

山から下りると、
山のパワーにあたったかのように、
眠気におそわれ、車に酔った。
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海とジェットコースターと魚たち

2009年11月04日 | お散歩

海の上を走るモノレール。
海の水は澄んでいて、
クラゲがいっぱい見えた。

駅を降りてすぐ、
名物のもんじゃアイス。

遊園地も水族館も嬉しいけど、
海を眺めるベンチが
いろんなところにあるのも嬉しい。
ついたら、早くも日が傾き始めた。

サーフコースターは、
夕焼け空に向かっていく感じが
すごく気持ちいい。
しかも下は海。
あまりにいい気分で、
絶叫マシンってことを忘れてしまう。
落下が始まると、
もう叫ぶしかない。
私もダーも、後ろのメンズ二人も、
ギャーギャー叫びまくっていた。
あまりの怖さに、
気づいたら涙が出ていた。
でも、途中で撮られる写真を見たら、
私もダーもニヤっとしていた。
ブルーフォールは怖すぎるのでパス。

ベンチでゆっくり、
真ん丸のナイスな夕陽を眺める。
オレンジ色が、下から徐々に濃くなっていく。
白く光る海と、青く霞む低い山ごしの夕陽は、
いつも河原で見る夕陽より大きかった。



ケータイで撮ってみた

日の残るうちに、
丘の上のバラ園で秋バラを眺める。
花数は少なかったけど、
横浜ゆかりのバラと、
メイアンのロイヤルプリンセスがきれい。

それから水族館へ。
最初のキイロハギの水槽からはまる。
魚たちの形も色も動きもきれい。
ヒカリモノの群れも美しかった。
動物はどうしても、
飼育状況とか気になってしまうけど、
魚を見るときは、
何も考えず、ただボーッと眺めて、
脳が癒されるのがわかる。

ロッテリアでお茶してから、
イルカコーナーを見て、
イルカとアシカのショーも見る。
アシカの体型、ビーそっくり。
イルカは、ゆうこと聞かない子が1匹。
みんな可愛くて、
心からの拍手と声援をおくる。



白イルカちゃん

暗くなってから、
サーフコースターにまた乗る。
夜景がきれいで気持ちよく、
その後また涙。

帰り、横浜で山頭火のラーメン。
あったまる。

二十年ぶりくらいの八景島。
ダーは初めてだったらしい。
紺と白のマリン風ニットワンピで。
盛りだくさんで楽しかった!

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クロイツェルソナタ/悪魔

2009年11月04日 | 読書メモ
久しぶりに読み返す。
ほとんど覚えてなかった。

大人になると、
深く落ちるようなことは避ける。
でも、ロシア文学の登場人物たちは、
自らを深淵に叩き落し、
淵をさまよい歩く。

獣偏に王と書いて狂。
感情は高ぶるがままにせよ。
そして気づいたら獣の王に。

愛と性にふりまわされ、
ほかのことに手がつかなくなり、
獣の王になっていく主人公たち。
「ロシア的です。ロシア的ですよ。」

クロイツェルは、
嫉妬のあまり獣の王に。
ことあるごとに、
または何もなくても、
感情の高まりが波のように押し寄せて、
ベトベンのピアノソナタを聞いてるみたい。

「悪魔」のエヴゲーニイは、
性格も見た目も良く、
人望もある、若い地主さん。
そんな彼も、獣の王に。

トルストイはほんとに
「純潔こそ理想」だったのだろうか。
それにしては、
ステパニーダとの森での逢引シーン
~鮮烈な陽光のふりそそぐ
あの胡桃と楓の林であったすべてのこと~
は、うっとりするほど甘美で、
鮮烈なエロスがほとばしる。

愛と性の果てに
淵をさまよう人の感情のグルーヴに、
ロシア文学の快楽がある。

やめられないので、
ドストエフスキーで一番好きな、
「白痴」を読みかえす。
これが面白くて面白くて!
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