1日出かけては、1日のんびり、
を繰り返す。
なぜか2日の天気がくずれた日に、
あえての高尾山。
ダーは仕事。
イポリートの独白からこっち
盛り上がりっぱなしの「白痴」を読みつつ、
Cと待ち合わせの駅につくと、
小雨が降り、
おまけにCは重めのオーラ出まくり。
でも、行ってみる。
八王子並木町のイチョウは、
全体に紅葉が始まっていて、
緑から黄色のグラデーションは
目の覚める眺め。
ハナミズキの赤い紅葉も、
葉が大きくてきれい。
山の上に行くと、雨は降ってなくて、
ところどころで霧が噴出していた。
ナチュラルミスティックに誘われて、
奥へ奥へと行ってみる。
天候のせいか人も少なくて、
濃い霧に包まれた山道は幻想的。
フワフワと、雲の上を歩いてるみたい。
薄暗かったので、
紅葉はあまり印象にないけど、
木の幹の太さに目をみはった。
背の高い木々の枝のささめきは、
やっぱり海の波の音に似てる。
お寺で天狗の像に会う。
建長寺の山の天狗は「よ!」と
きさくな感じだけど、
高尾山の天狗は厳しくて、
手をあわせる。
山の上には、
期待してた「狸のいそうな里の秋」
はなかったけれど、
ミストに身も心もすっかり洗われて、
「天狗に抱えられてフワフワ飛んでる感じ」
を味わう。
日が沈んで暗くなると、
霧の中にぼんやりとにじむ
灯りをたよりに歩く。
山から下りると、
山のパワーにあたったかのように、
眠気におそわれ、車に酔った。