17日目にして関東を抜けて、
晴れてバカ暑が戻った8日の火曜、
仕事帰り、空全体が淡いオレンジ色の夕焼けに染まり、
ぐるぐる空を見ていたら、東の空に虹を見つけた。
今年初めて見る大きな虹にしばらく見とれてから、
空に向かってまっすぐ伸びる、
一方通行の大きな虹は、
モンチの時に見た虹みたいだ、と思って、
ハッとあわてて、ねーさんにメールした。
帰り、図書カウンターに寄るため、
駅からつづく上の道を歩いてたら、
小雨も降って雲もあったけど、
そこだけ雲がとぎれて、
出たての大きな、朱色の月。
8日は満月の日だった。
ねーさんはその日たまたま連絡くれた友だちと
一緒にいてメールに気づかず、
虹は見れなくて、月も曇ってて見れなかったそう。
家に帰ってしばらくすると、電話が来た。
Kちゃんは、口の中に何かできて、
細胞検査をして悪性ではなかったものの、
投薬して腫れはいったん引いたけど治らなくて、
ご飯が食べられず、水も飲めなくなっていたそう。
結局、はっきりした病名は、分からなかったそう。
昨日はずっとつきっきりで一緒にいて、
自分の晩ごはんを食べるためにちょっと離れたときに、
「きっと、そんなに苦しまずに、スポッと」
天へと旅立ったそう。
ねーさんの見てる前では行きにくかったのだろう。
私が虹を見たのは、
Kちゃんが私をねーさんに差し向けるためだった。
ねーさんは一人暮らしだから、
その夜は話を聞く人が必要で、私は何だって聞く。
長々と電話で話した後でお互いやっと開通したラインも交換し、
お互いの猫の写真をじゃんじゃん送り付けあってる最中に、
「いま月が雲間から出ようとしてる」とHさんからメールがあって、
ねーさんに伝えて、ねーさんは月を見に行った。
見れたのかはわからないけど、
雲間から強い光がちらちら見えていて、
Kちゃんは空の上で、
Aちゃんやみんなと会って、
楽しげに遊んでるようだった。
5号の低気圧はでかかった。
病気の子や高齢の子にはきつかったと思う。
その5号を乗り越えた子たちは、
余力たっぷり、元気がある、
この夏を乗り越えられる。
ベッドの上で電話で話している間、
余力がパンパンに入ってふくらんでるモンちゃんと、
オモチャで遊んでいた。
クーラーはつけっぱだったけど、
外の湿度がすごくて夜も暑くて、
殿もビーもちょっと疲れていた。
でも殿はご飯をよく食べて、もう吐かなかった。
ビーは、あれもいりま宣言、これもいりま宣言、
で、赤みのお刺身の湯引き、土佐のカツオはばっくばく。
ササミは焼き立ての熱いうちに、
テーブルからひきずりおろしてばっくばく。