亀田親子はボクシング界の安倍シンゾーとなるのか?

2007-10-17 12:42:31 | Weblog

 
 世界フライ級タイトルマッチ戦での試合中のプロレスラー顔負けの反則行為で亀田家試合当事者二男の大毅は「ボクサーライセンスの1年間停止」、親子鷹を演出していた父親史郎は「セコンドライセンス無期限停止」、暴力団組員顔負けのコワモテ長男興毅は「厳重戒告処分」。

親子3人揃って持ち前の凶悪な顔を最大限に利用して威嚇・眼ヅケ・罵倒・悪口雑言を手段に試合相手をリングに上がる前の記者会見時や体重測定時から威しにかかり、怯ませて試合を有利に進めようとリングに上がってまでしつこいまでに繰り広げる。

 その手段を選ばないなり振り構わない嫌らしさは品も何もあったものではない。TBSの「みのもんたの朝ズバッ」が親の指導を立派だと褒め、今時珍しい親子の絆だとゴマすり同然に持ち上げ、大衆が乗せられて亀田人気は沸騰した。

 弱い犬ほど吠えると諺にあるが、弱い犬でありながらやたらと吠えるのは自身の実力を弁える力がないからだろう、弱さを補う手段が吠えることと言うわけである。

 それが試合中にリング内で過去に例のない反則を犯し、これまでの悪質な態度と併せてこれまた過去に例のない処分を受けた。

 亀田家所属ジムの協栄ジムオーナーの金平桂一郎会長は監督責任を問われてオーナーライセンスの3カ月の停止処分を受けたが、監督責任を果たすために相手ボクサー内藤大助選手と所属する宮田ジムの宮田博行会長に対する直接の謝罪を求めることを亀田家に要求しているが、父親亀田史郎は自身への処分には納得しているが、重過ぎるとしている大毅への処分に納得がいかないのか、自らも謝罪に訪れず、金平会長の要求にも応ずる気配を見せていない。
 
 安倍前首相が靖国神社参拝問題や歴史認識発言での断定口調、あるいは中国や北朝鮮に対する強硬発言で大衆人気を獲得して戦後生まれで初となる総理・総裁の椅子を獲得していった過程と、亀田親子が大衆人気を獲得しヒーローに登りつめていった過程がその実力との不釣合いな関係、人気沸騰の急激さと高さで対応し合っている。

 安倍首相は総理・総裁に就いた後も教育基本法改正や憲法問題での自信に満ちた確固とした「戦後レジームからの脱却」宣言、各政策に於ける「すべて私の内閣で解決する」と揺るぎのない姿勢を持ち続けたが、突然、就任後ほぼ1年で自分から挫ける形で政権を投げ出し、惨めな敗北の姿を曝してしまった。

 「闘う宰相」と自らが宣言した「闘う」姿勢は何だったのか。「闘」った痕跡すら見えない。日本の戦後を変えるという壮大な政策の、その壮大さは何だったのか。影も形も見えない。弱い犬が単に強い犬と見せかけて吠えるのと同じで、自分を偉大だと思わせる単なるポーズだったのだろうか。

 亀田家が協栄ジムオーナーの金平会長の忠告に従って親子3人揃って内藤大助選手と宮田ジム宮田会長に謝罪の頭を下げ、謝罪の言葉を口にした瞬間、それはこれまで自分たちが築き、大衆人気を博した威しキャラを捨てることを意味する。言ってみれば、リングに上がる前から相手選手を怯えさせ、自分たちは強いのだと思わせる牙としてきた威しキャラなのである、謝罪した時点で二度と使えない牙となり、牙を剥かれるに等しい謝罪となる。

 吠えることでしか自分を強い犬と思わせることができない犬が吠えることを取り上げられたなら、自分を強いと思わせる手段を失う。威しキャラで勢いをつけてきた亀田兄弟が威しキャラが使えなくなったとき、借りてきた猫のように相手選手と対峙するしかない。

 勿論このことはそれ相応のボクシングの技術を身につけることで解決する。但し威しキャラは父親から与えられた練習環境や学習によって父親共々築き上げたということだけではなく、亀田家の血も作用し性格の一部ともなっているだろうから、思い通りの試合運びができない場合が生じるのは実力あるボクサーでも経験することで、亀田兄弟にしても遭遇するそんなとき、いつ何時カッとなって自分を抑えることができず奥の手としない保証はない同じことの繰返しとなる危険性を抱えることになる。

 謝罪するのも困難、謝罪しないのも困難。謝罪して一旦はケリがついたとしても、威しキャラを再び奥の手としてしまったとき、「何も変わらない亀田」ということになって、それは選手生命の終わりを意味しかねない。

 そうなったとき、安倍前首相が最後には惨めな姿を曝したのと同じく、亀田兄弟もかつての大衆人気の面影もなく、同じ運命としないとも限らない。

 それにしても滑稽でみっともないのは「朝ズバッ」のみのもんたである。亀田親子が落ちた偶像となるや、落とした内藤大助チャンピオンを番組に招いて盛んに持ち上げ、亀田親子が処分を受けると、これまで持ち上げたことも健忘症に「軽い」などと相変わらずの〝正義漢〟を演じる。本人の中ではそのケロッとした顔から判断すると、何の矛盾もないのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする