ますます信頼を失っていく麻生の天性・「卓抜な」ゴマカシ

2009-07-18 12:01:29 | Weblog

 その政治的才能が「卓抜な」点に於いて「みぞうゆう(未曾有)」な、我が日本の偉大な総理大臣麻生太郎は首相官邸でのぶら下がり記者会見で口を開くたびに天性・「卓抜な」ゴマカシを発揮、元々ない信頼をさらに落としていくようだ。

 石原慎太郎東京都知事が17日の定例記者会見で、往生際悪く政権にしがみつこうとしている自民党の周章狼狽騒動を評して次のように言ったそうだ。

 「非常に優れた卓抜な総理大臣をいただくと、いろいろ混乱があるみたいだ。自民党幹事長が都議会に来て陳謝するなんて、まさに『みぞうゆう(未曾有)』なこと――」(47NEWS

 東京都知事までが認める麻生の「卓抜」さなのである。

 麻生べったり・腰巾着の細田幹事長が麻生の指示なしで動くはずはない。麻生が都議選を「あくまでも地方の選挙。争点は都政の諸課題で都民が判断する。国政に直接関連しない」と物事の本質を洞察する能力に関しては「卓抜な」ご託宣を下して麻生内閣の不人気は関係ないよとゴマカシたものの、都議選自民党大敗北の現実を目の当たりにするとそのゴマカシが100%効かないのは麻生の「卓抜」した頭でも理解できたらしく、都議選翌日の13日午後の政府与党連絡会で麻生首相は次のようにゴマカシを修正している。

 「都議選と国政は関連しないと言ってきたが、自民党のゴタゴタが悪影響を与えたことは否定できない。大変申し訳ない。来週早々に衆院を解散し、信を問いたい。投票日は8月30日。厳しい戦いになるが、経済危機から国民生活を守るため奮闘をお願いしたい」(msn産経

 100%のゴマカシのうち、まだ70~80%のゴマカシが残っている麻生の国政にも責任があるとする意向を受けた細田べったり幹事長の「陳謝」なのは疑う余地はない。

 政府与党連絡会から3日後の16日開催の自民党都議団議員総会に出席、「国会議員が一丸となってもり立てる時期に、様々な要因が出て、悪影響と打撃を与えてしまった。心からおわびします」(asahi.com)と言って、〈惨敗の原因は党内の混乱にあったと認め謝罪した。〉(同asahi.com)と、石原慎太郎都知事が言う「都議会に来て陳謝する」「まさに『みぞうゆう(未曾有)』な」珍事を演出したのである。

 麻生の謝罪がなかったなら、細田の謝罪もなかったに違いない。「都議選と国政は関連しない」が有効期限を維持し続けるからだ。

 このことも由々しいゴマカシだが、100%のゴマカシのうち、まだ70~80%のゴマカシが残っていると言ったのは「自民党のゴタゴタ」は麻生太郎という日本の首相の「卓抜な」無能・人格欠如が招いた「ゴタゴタ」でもあるのだから、それを「自民党」のみの「ゴタゴタ」で一括りするのは責任転嫁とも言えるゴマカシの更なるゴマカシに過ぎないからだ。自身の指導力のなさ、イコールぶれる態度に象徴的に現れていた自身の政策的無能や物事を深刻に把えることができないヘラヘラした態度に言及してこそ、最初のゴマカシを払拭できたはずだが、ゴマカシの上にゴマカシを上塗りする責任回避で首相職を維持してきた、その連続性を構成する一つとしてあるゴマカシだから、一つでも抜いたならその連続性と共に自らの存在自体が瓦解してしまうのだろう。

 ウソつきからウソを取り去ったら、何も残らないのと同じ理屈に違いない。ウソつきはウソをついているときにこそ、生きいきとする。生きい生きとする機会が奪われるのである。麻生からゴマカシを取ったなら、何も残らないに違いない。

 勿論、細田幹事長の「陳謝」にしても、麻生べったりの信念からして同調した麻生抜きの自民党の混乱のみに責任転嫁する「陳謝」なのは断るまでもない。

 昨17日午後5時46分からの首相官邸ぶら下がり記者会見でも我が麻生太郎はその天性・「卓抜な」ゴマカシを発揮している。「毎日jp」記事――《「首相VS記者団」両院議員懇談会非公開「私が決めたわけじゃないから」7月17日午後5時46分~》を参考にして見てみる。

 《「首相VS記者団」両院議員懇談会非公開「私が決めたわけじゃないから」7月17日午後5時46分~》

 ◇両院議員懇談会

A:はい。

Q:よろしくお願いします。TBSです。細田幹事長は21日(火曜日)に両院議員懇談会を行うと決定しました。両院議員総会を求める声がある中、懇談会を行うとした決定について総理はどうお考えでしょうか。

A:両院議員懇談会になったっていうのは細田幹事長の方からうかがいましたが、これは党の手続きを踏まれてそうなったんだと理解をしております。いろいろご意見があると承知しておりますので、そのご意見というのをしっかり聞かしていただきたいと思っております。その上で私なりの考え方というものを申し述べたいと思っております。

 いずれにしても、自由民主党の長い歴史の中で、総選挙に臨んでは一致団結して戦う、これが自由民主党の長い歴史の伝統だったと私自身はそう思っておりますんで、その意を踏まえて今回の総選挙、臨むに当たってもその先頭に立って戦い抜かねばならんと、歯を食いしばっても頑張らないかん一番大事なところだと思っております。

Q:具体的にどのようなことを訴えたいということは、今はおありでしょうか。

A:私どもは今までの経済政策というものの成果というものは少し見えてきたところではあります。しかし、まだその成果は確実に中小、小規模企業、またいわゆる失業、弱者、いろいろ表現がありますけど、そういうところまでまだ届いていないというのが私どもの認識です。従って景気最優先、これが基本です。まだまだ、全治3年と申し上げましたけれども、まだ10カ月少々という時期でまだそこらのとこまで至っていない、これが一点。

 もう一点は、北朝鮮含めて我々を取り巻いております安全、または防衛、外交関係というものを考えた時に日本という国の安全保障、生活を守る、日本を守るというところが一番大事なところだと私自身はそう思っております。

Q:総理、読売新聞です。関連して懇談会では、東京都議選など地方選での連敗が続いたことについてはどのようなお言葉で総括するお考えですか。

A:どのようなご質問が出てくるか分からん上で仮定の質問だけではお答えはしようがありません。東京都議選につきましては東京都議において総括が行われたと、それは自由民主党の幹事長が出られて答えられたと聞いています。

Q:この懇談会なんですけれども、所要およそ1時間、報道陣には非公開ということで一部には麻生批判を封じる狙いがあるのではないかという指摘もありますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

A:どのような形で対応をするか、開催をするかというのは、これは幹事長のところで仕切っておられますんで、私どもが口を挟む話ではありません。その上でいろいろなご批判もあろうとも、クローズになったから批判が聞こえなくなる、そんなことがあるでしょうか。

Q:その件についてですが、朝日新聞です。逆にクローズにすることで変な憶測が生まれるとかそういう……。

A:あり得るでしょうね。

Q:それだったらかえってオープンにした方がいいという考え方もあるかと。

A:だからいろんな考えはいただいて、私が決めたわけじゃないから。私の決めた話ではなくて党でこのような形にすると決められたのに私は従っているだけですから、今の段階でみなさん方の話をご意見としては拝聴しますけれども、私が決めた話ではありませんので、これは党できちんと仕切っていかれた結果、こういう結論になったんだ、私自身はそう理解しています。

Q:党の総裁の判断でということもあるんじゃないでしょうか。

A:私はみなさん方の意見を聞くということに逃げる気はありませんとお答え申し上げております。ずーっと同じです。同じ答えしか答えていないと思いますが。

 ◇マニフェスト

Q:総理、テレビ朝日です。マニフェストの話について……。

A:マニフェスト、はい。

Q:小池百合子議員がですね、自分の訴えている政策が党のマニフェストに盛り込まれないなら独自のマニフェストを作るとおっしゃっていて、こうした動きは有権者の混乱を招きかねないと思いますが、総理はどうお考えでしょうか。

A:その話、詳しくうかがっていませんので答えようがありません。(以上)――

 「私どもは今までの経済政策というものの成果というものは少し見えてきたところではあります」以下云々はイタリア・ラクイラサミット開幕の7月8日(09年)の「(日本は)過去最大規模の経済対策を打ち、底割れを防いだ」とする麻生の言葉を100%ゴマカシとする発言であろう。

 いさなぎ景気を超える戦後最長の好景気の恩恵を受けて大企業が次々と戦後最高益を出していながら、その恩恵が一般生活者にまで届かず、生活が豊かになったという生活実感を与えないまま個人消費が低迷した現実から学習すると、「過去最大規模の経済対策を打」ったとしても、その恩恵が「中小、小規模企業、失業、弱者」等にまで届く保証はなく、保証がないことを払拭するのではない「まだその成果は確実に中小、小規模企業、またいわゆる失業、弱者、いろいろ表現がありますけど、そういうところまでまだ届いていない」と言うことなら、「底割れを防いだ」にしても何の保証にもならないゴマカシでしかなくなる。

 大体が今ある日本の社会の生活上の数々の格差が市場競争原理一辺倒の自民党政治・小泉政治がつくり出した格差であることを隠して、「日本という国の安全保障、生活を守る、日本を守るというところが一番大事なところだと私自身はそう思っております」とシラッと言えること自体が天性・「卓抜な」ゴマカシとしか言いようがない。

 格差社会をつくり出した政治の反省に立ち、それを反面材料とすることでより公平な社会に向かうことができるはずなのだが、反省も総括もせずに日本という国を支えていくのは自民党政治しかないようなゴマカシを言う。

 次の質問として都議選を含めた地方選での自民党敗北の総括を自民党議員を集めた公の場を想定してのことなのだろう、どのような言葉で果たすのかと聞かれて、麻生は「どのようなご質問が出てくるか分からん上で仮定の質問だけではお答えはしようがありません」と答えている。

 「どのようなご質問が出てくるか」想定することもできない頭の持主らしい。自身に都合の悪い話は「仮定の質問」だとか「仮定の話」として答を逃げる。これは首相としての責任を果たさないゴマカシ、責任逃れ以外の何ものでもない。

 さらに都議選の敗北については、「東京都議選につきましては東京都議において総括が行われたと、それは自由民主党の幹事長が出られて答えられたと聞いています」と、自身の総括はなしで済ますゴマカシを働かせている。

 少なくとも両院議員懇談会で都議選敗北の話は出ると思いますから、そのときに話したいと思いますと答えるべきだが、そのように答えたなら、今度は最初に言った「どのようなご質問が出てくるか分からん上で仮定の質問だけではお答えはしようがありません」がゴマカシだと露見することになる。結果的にゴマカシを以って責任回避を図る人間は徹頭徹尾ゴマカシを貫くことでしか責任が維持できなくなる。ゴマカシで果たす責任はメッキが剥がれないまま維持することはできないだろう。支持率低下や悪評となって撥ね返ってくる。今の麻生についてまさに言えることである。

 オープンを義務付けられ、議決権を持った両院議員総会が非公開の議決権のない両院議員懇談会となった理由を「麻生批判を封じる狙い」からではないかと問われて、会議名目の変更については「これは幹事長のところで仕切っておられますんで、私どもが口を挟む話ではありません」と、麻生の意向で動いていることを隠して平気でゴマカシている。

 また非公開とすることについても、「クローズになったから批判が聞こえなくなる、そんなことがあるでしょうか」と巧妙にゴマカシている。

 記者等の傍聴者が直に耳にし、直に目にする、あるいはテレビの映像を通して国民が言葉と表情を直に把えることが拒否されて、出席者に対する質問をつぎはぎして成り立たせた間接情報はどれ程の正確さを備えるだろうか。反麻生派は麻生自身及び麻生派に都合の悪い反麻生情報のみを流すだろうし、親麻生派は自己に都合よく、反麻生派に都合の悪い情報――いわば麻生に対する批判を抑えた情報を流すだろうから、そのどちらもが間接情報である限り、意図せずに相殺、もしくは増幅されてどこまで事実なのか情報操作された不明確な情報だけが伝わることになる。

 国民の誰の目にも批判を限りなく「聞こえなく」させるために両院議員総会から両院議員懇談会に会議名目を変えたと分かっているにも関わらず、「クローズになったから批判が聞こえなくなる、そんなことがあるでしょうか」と平気で言うことができるのは天性・「卓抜な」ゴマカシ人間だからこそできる芸当だろう。

 朝日新聞の記者から、「逆にクローズにすることで変な憶測が生まれるとかそういう……」と追求されると、「ありうるでしょうね」と答ながら、「私が決めたわけじゃないから。私の決めた話ではなくて党でこのような形にすると決められたのに私は従っているだけですから」と麻生の意向を受けた細田の落としどころであることを隠して、ゴマカシたことを言う。「これは党できちんと仕切っていかれた結果、こういう結論になったんだ、私自身はそう理解しています」とさらにゴマカシの上塗りをする。

 両院議員総会開催に署名した議員に電話等をして確認を取った結果、利用された、署名していないなどと言う議員が出て、開催要件の3分の1に当る128人に満たないことになったと言っているが、細田幹事長が麻生腰巾着・麻生べったりと言うだけで、ただでさえその中立性が信用できないだけではなく、署名確認の過程でそんなふうでは選挙応援はできない、公認は難しくなるかもしれないといったそれとない恫喝が行われた可能性も否定できとなれば、「私が決めたわけじゃない」がどれ程信用されると言うのだろうか。信用どころか、逆のゴマカシにしか聞こえないだろう。

 麻生の指示を受けて細田たちの協力で「決めた」両院議員懇談会なのは誰も疑わない事実であろう。麻生自身が望んでいない形に幹事長等の党執行部が持っていくはずはないからだ。麻生のホンネの希望からしたら、懇談会も拒否したかったろうが、拒否した場合、却って収拾がつかなくなるのは目に見えていたから、仕方なく懇談会開催で妥協したといったところなのだろう。

 内情が既に露見しているにも関わらずゴマカシたことを言って責任逃れをするから、信頼を失っていく。

 両院議員総会を両院議員懇談会に名目を変えたことと会議を非公開としたことは「党の総裁の判断」が関わってしたことではないかと内情が誰の目にも露見している意味合いで質問を受けると、言い逃れ・責任逃れがゴマカシを出発点としているから、直接的には答えずに、「私はみなさん方の意見を聞くということに逃げる気はありませんとお答え申し上げております。ずーっと同じです。同じ答えしか答えていないと思いますが」と議決権の有無、公開・非公開といった会議に於ける重要な要素となる形式を抜きにして、“逃げずに意見を聞きます”といった会議に臨む姿勢だけを言う天性・「卓抜な」次なるゴマカシを働かせている。

 直接的な答で応じないで、同じことを言っても意味のないことに気づかない。

 「小池百合子議員がですね、自分の訴えている政策が党のマニフェストに盛り込まれないなら独自のマニフェストを作るとおっしゃっていて、こうした動きは有権者の混乱を招きかねないと思いますが、総理はどうお考えでしょうか」と言う質問に対しても、「その話、詳しくうかがっていませんので答えようがありません」と、知らないことだから答えようがないと例の如くにゴマカシている。

 内容はどうであれ、マニフェストは党全体の政策を示すものなのだから、党の政策と異なる個人プレー的な政策の宣伝は許すわけにはいかないと答えるべきであろう。個人的マニフェストを一人でも許したなら、党全体の政策という原則を壊すことになるばかりか、他の議員も個人的マニフェストを掲げることを許さないわけにはいかなくなり、党所属という原則にも反することになる。もし個人的な政策・個人的なマニフェストで選挙を行うなら、自民党籍を離れて、無所属で選挙してもらうしかないと答えるのが原則に則ったまともは答のはずだが、そう答えることもできない「卓抜な」才能の持主である。

 また、小池百合子が独自のマニフェストを作ると言い出すこと自体が麻生が総理・総裁としての求心力を失っている証拠以外の何ものでもない。こういった動きだけではなく、麻生降しにしても政策的にも人心掌握面でもリーダーシップを失っている状況を前提とした議員たちの反乱であろう。

 自己に都合の悪いことはゴマカシの上塗りで責任逃れしているから、国民の支持離れと併行して党所属議員の麻生離れも起きることになる。

 都議選敗北の責任を取るとして一旦は進退伺いを出していたが、留任が決まった自民党東京都連会長の石原伸晃幹事長代理が都連主催の緊急会合で麻生降しといった「党内の混乱がなければ、議席を獲得できた方が大勢いるのは間違いない。痛恨の極みだ」(日刊スポーツ)と述べたということだが、「麻生降ろし」なる「党内の混乱」は既に触れたように麻生の指導力のなさ、人格のなさが招いた不始末であって、責任の行き着く先はすべて麻生太郎という、石原慎太郎の言う「非常に優れた卓抜な首相」に求めるべきを、麻生抜きに党内の混乱だけを言い立てる。

 客観的に物事を判断できないこの程度の政治家が自民党の将来の総裁候補と言われている。そのとき政権を握っていたなら、総理候補ということになるのだから、日本の将来は麻生で輝いた上にもますます光り輝くことになるだろう。


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