安倍晋三の提灯持ち産経阿比留瑠比の「『赤坂自民亭』批判はこじつけだ」は贔屓の引き倒しと人命への想像力欠如

2018-07-23 12:22:37 | 政治

 【謝罪】 
 
 2018年7月16日付と2018年7月19日付の当ブログに、〈福岡県知事が7月5日19時00分に自衛隊に対して「人命救助及び物資輸送に係る災害派遣要請」を行い、引き続いて大分県知事が同7月5日19時30分に同じく自衛隊に対して「人命救助に係る災害派遣要請」を行っていることを2018年7月5日付け防衛省サイト、《九州北部における大雨に伴う人命救助等に係る災害派遣について(21時45分現在)》で記している。〉と書いたが、1年前2017年7月の北九州豪雨災害時の自衛隊派遣でした。

 誤った情報を与えたことを深く陳謝し、今年の自衛隊災害派遣の防衛省の記事に差し替えました。

 改めて深く陳謝します。  

 文飾は当方。

 《【阿比留瑠比の極言御免】「赤坂自民亭」批判はこじつけだ》産経ニュース/2018.7.19 01:00)

 西日本豪雨への政府対応をめぐり、野党やマスメディアによる安倍晋三内閣批判が目立つ。対応の検証やそこから教訓をくみ取る努力は当然必要だが、ピント外れのものや政権のイメージダウンを狙った印象操作らしきものもある。
 特に標的とされたのが、自民党が5日夜に開いた懇談会「赤坂自民亭」だ。

 「自民党に強く申し上げたいが、首相、防衛相、官房副長官が『6日夜』に不適切な会合をしていた」

 立憲民主党の蓮舫副代表は15日のNHK番組でこう声を張り上げ、安倍政権幹部が「機能しなかった」と主張した。だが、この発言は二重の意味で間違いだといえる。

 懇談会の日付違い

 まず、自民党の中堅・若手議員が閣僚や党幹部と膝を交えて意見交換する赤坂自民亭が開かれたのは5日夜のことであり、被害の深刻さが明らかになってきた6日夜ではない。前提となる事実関係が異なるのでは話にならないが、蓮舫氏は間違いを指摘されても謝罪や訂正をしなかった。

 確かに、気象庁は5日午後2時の記者会見で「西日本と東日本では、記録的な大雨となるおそれがあります」と発表していた。ただ、安倍首相が赤坂自民亭に参加した午後8時半時点で、特に大きな被害が報告されていたわけではない。

 また、政府は気象庁の記者会見直後に、小此木八郎防災担当相出席の下で関係省庁災害警戒会議を開き、警戒態勢を整えていた。小此木氏はこの時点で「大災害を改めて思い出し、対策に万全を期すように」と指示している。

 もちろん被災者・関係者にとっては、赤坂自民亭は不愉快だったろうが、蓮舫氏が述べた「機能しなかった」は言い過ぎだろう。

 まして、立憲民主党は5日夜、手塚仁雄国対副委員長が「政治活動25周年感謝の集い」を催しており、蓮舫氏や枝野幸男代表、福山哲郎幹事長らも出席して祝杯を挙げていた。

 「危機管理の責任者は政府だ。(政府・与党と野党を)同じに議論するのは間違っている」(福山氏)という部分はあるにしても、居丈高に政府だけを責め立てる資格はあるだろうか。

 投稿利用する朝日

 メディアの姿勢にも疑問が残る。例えば朝日新聞は13日付朝刊の読者投稿欄で、「自民『宴会』 命の重さ考えたか」という投稿を掲載した。それは次のように記していた。

 「西日本各地に大雨警報や土砂災害警戒情報、避難指示・勧告が出て、人が亡くなる被害も伝えられていた5日夜、自民党議員数十人が『宴会』を開き、安倍晋三首相も出席していた」

 「安倍政権は緊張感を失い、傲慢になってしまった。国会議員の使命を軽視し、人間らしさを失った人たちには議員を辞めていただきたいと切に願う」

 だが実際は、気象庁が福岡、佐賀、長崎の各県に大雨特別警報を出したのは6日午後5時10分のことである。事実関係があいまいな読者投稿を利用して、安倍政権をおとしめようとしているようにも見える。

 朝日の6日付朝刊を確認すると、政治面に小さく赤坂自民亭開催の記事があったが、特に批判的なトーンはない。また、西日本豪雨の関連記事は第2社会面に載っているものの、あまり大きな扱いではなく、この時点で朝日もこのような惨事になるとは予想していなかったことが分かる。

 死者200人を超える大災害を、こじつけで政権批判に利用するような不謹慎なまねは、厳に慎むべきである。(論説委員兼政治部編集委員)

 文飾を施した箇所を改めて取り上げてみる。

西日本豪雨への政府対応をめぐり、野党やマスメディアによる安倍晋三内閣批判が目立つ。対応の検証やそこから教訓をくみ取る努力は当然必要だが、ピント外れのものや政権のイメージダウンを狙った印象操作らしきものもある。

まず、自民党の中堅・若手議員が閣僚や党幹部と膝を交えて意見交換する赤坂自民亭が開かれたのは5日夜のことであり、被害の深刻さが明らかになってきた6日夜ではない。前提となる事実関係が異なるのでは話にならないが、蓮舫氏は間違いを指摘されても謝罪や訂正をしなかった。

確かに、気象庁は5日午後2時の記者会見で「西日本と東日本では、記録的な大雨となるおそれがあります」と発表していた。ただ、安倍首相が赤坂自民亭に参加した午後8時半時点で、特に大きな被害が報告されていたわけではない。

政府は気象庁の記者会見直後に、小此木八郎防災担当相出席の下で関係省庁災害警戒会議を開き、警戒態勢を整えていた。小此木氏はこの時点で「大災害を改めて思い出し、対策に万全を期すように」と指示している。

死者200人を超える大災害を、こじつけで政権批判に利用するような不謹慎なまねは、厳に慎むべきである。 

 要するに自民党7月5日夜開催の懇談会「赤坂自民亭」への安倍晋三出席を標的とした野党やマスメディアの批判は〈ピント外れのものや政権のイメージダウンを狙った印象操作らしきものもある。〉と逆批判している。

 〈らしきものもある。〉と断定はしていないが、〈蓮舫氏が述べた(安倍政権幹部が)「機能しなかった」は言い過ぎだろう。〉とか、野党が、〈居丈高に政府だけを責め立てる資格はあるだろうか。〉と批判していること、朝日新聞が読者投稿欄を利用して、〈安倍政権をおとしめようとしているようにも見える。〉と批判している以上、野党やマスメディアに対する批判は限りなく断定に近い。

 産経新聞論説委員兼政治部編集委員阿比留瑠比は、〈まず、自民党の中堅・若手議員が閣僚や党幹部と膝を交えて意見交換する赤坂自民亭が開かれたのは5日夜のことであり、被害の深刻さが明らかになってきた6日夜ではない。〉と明晰な頭で事実関係を解説、〈確かに、気象庁は5日午後2時の記者会見で「西日本と東日本では、記録的な大雨となるおそれがあります」と発表していた。ただ、安倍首相が赤坂自民亭に参加した午後8時半時点で、特に大きな被害が報告されていたわけではない。〉と事実関係を更に補強、これらの事実関係を絶対とすることで安倍晋三の出席を批判されるべきないこととして擁護している。

 その上で、〈政府は気象庁の記者会見直後に、小此木八郎防災担当相出席の下で関係省庁災害警戒会議を開き、警戒態勢を整えていた。小此木氏はこの時点で「大災害を改めて思い出し、対策に万全を期すように」と指示している。〉として、政府の災害対応に不備がなかったことを強調している。

 但し防災担当相小此木八郎が「大災害を改めて思い出し、対策に万全を期すように」と指示した意味はここ何年か、毎年夏になると、集中豪雨や記録的短時間大雨といった異常気象が発生、日本列島のいずれかの地域が多くの人命の犠牲を伴う洪水被害や浸水被害に遭遇する最近の気象状況に備えた危機管理の訴えにあるはずである。

 7月22日のNHK日曜討論「西日本豪雨 命を守るために何が必要か」でも男性アナウンサーが「これまで経験したことがなかったような大災害が毎年のように起きている中、私たちの命を守るために何が必要か」と、ほぼ例年化している自然災害を発端とした人命に犠牲への対応を問いかけている。

 つまり小此木八郎の発言も、NHK「日曜討論」での男性アナの発言も、突発的豪雨災害がほぼ例年化していることを受けた人命への危機管理から出ている。

 気象庁の5日午後2時の記者会見にしても、単に記録的大雨の予想を発表しただけではなく、記録的大雨に伴う土砂災害や低い土地への浸水、河川の増水・氾濫への厳重な警戒をも呼びかけていたことは「気象庁7月5日報道発表」に記載されていて、当然、突発的豪雨災害がほぼ例年化している最近の気象状況と併せて予想される土砂災害や低い土地への浸水、河川の増水・氾濫によって人命の危険を伴うことまで予想し、そのような予想を前提とした関係省庁災害警戒会議であり、政府の危機管理でなければならなかったことになる。

 でなければ、危機管理とならない。

 果たして政府は全体としてそのような危機管理態勢を取っていたのだろうか。 

 安倍晋三は7月17日の参院内閣委員会で共産党辰巳孝太郎が安倍晋三の「赤坂自民亭」出席を批判したのに対して、「小此木防災大臣出席のもとで関係省庁災害警戒会議を開催し、政府全体として必要な警戒態勢を敷き、その後も被害拡大を想定して政府の対応態勢を拡大するなど、如何なる事態にも対応できる万全態勢で対応を取ってきたところであります」と答弁している。

 いわば「政府全体として必要な警戒態勢」を敷いていたのだから、安倍晋三自身の「赤坂自民亭」は問題ないとした。だが、辰巳孝太郎に対して「災害対応というのはですね、まさに基本的には私が陣頭指揮を取る」と発言している。

 当然、関係省庁災害警戒会議も含めて敷いていた「政府全体として必要な警戒態勢」であるなら、安倍晋三は「陣頭指揮を取る」政府のトップなのだから、「政府全体」とは一体不可分の関係にあり、トップとしての立場から「警戒態勢」に於ける最大の責任を有していた。

 だが、一体不可分の関係にある「政府全体」と自身を分けて「赤坂自民亭」に出席、何ら問題はないとした。

 このことがほぼ例年化している大規模な自然災害を予想しなければならない中で安倍晋三の人命に対する想像力の欠如を如何に物語っているかを産経新聞論説委員兼政治部編集委員阿比留瑠比が明晰な頭脳で挙げていた、〈赤坂自民亭が開かれたのは5日夜のことであり、被害の深刻さが明らかになってきた6日夜ではない。〉とする事実関係の正当性・合理性を問うことで検証してみる。

 7月5日午前、兵庫県猪名川町の工事現場で大雨で増水した溜池で排水口から外れたフィルターを回収作業中、作業員3人が逆に排水管に吸い込まれて約600メートル流され、1名が死亡、2名が骨折の重症を負ったと、7月10日付「神戸新聞NEXT」が伝えている。

 突発的豪雨災害がほぼ例年化している気象状況にあることから、人命の犠牲への危険性に備えなければならなかった記録的大雨を予想する気象庁記者会見の7月5日午後2時よりも前の同日午前中に既に大雨によって犠牲者が出ていた。

 7月6日05時20分発信の「西日本新聞」記事には、〈広島県安芸高田市の長瀬川では、5日から連絡が取れなくなっていた近くの無職宮根和彦さん(59)が発見され、死亡が確認された。〉と出ている。

 発見された日時が6日であったとしても、安否不明となったのは7月5日であり、大雨が降っている中で、あるいは大雨後に水に流された場合、それが目撃されていない場合、救助措置が後手に回ることから、救命の可能性は著しく低下する。

 目撃されていて、連絡を受けた消防や自衛隊が素早く駆けつけたとしても、大雨による出水によって救助は困難を極めることになって、100%の救命が保証されるわけではない。

 こういった情報は関係各省から首相官邸に集約されていなければならない。でなければ、自然災害発生のたびに安倍晋三が「人命第一で情報の収集に努める」と言っていることは嘘になる。

 福岡県知事からの防衛省に対する自衛隊への災害派遣要請も7月6日の9時56分に行われている。

 《福岡県北九州市における土砂崩れに伴う人命救助に係る災害派遣について(11時00分現在)》防衛省/平成30年7月6日)

 (1)要請日時 平成30年7月6日(金)09時56分
 (2)要請元 福岡県知事
 (3)要請先 陸上自衛隊第4師団長(福岡)
 (4)要請の概要 人命救助(以上)

 当然、この派遣要請とマスコミ記事が7月5日の時点で大雨による死者が出ていることを伝えていることと併せると、死者のみならず、数少なくない人命救助に関わる安否不明案件、あるいは行方不明案件は既に7月5日夜遅くには始まっていたと見なければならない。

 もし安倍晋三が国民の命に対する想像力を欠くことなく「国民の生命と財産を守る」意識・責任を真摯なまでに常に有していたなら、いわば人命への想像力を欠如していなかったなら、気象庁が7月5日の午後2時に日本列島の広範囲で記録的な大雨の危険性を予想した時点で、ほぼ例年化している自然災害を発端とした人命の犠牲を踏まえて、防災対応に於ける陣頭指揮者として政府一体となって首相官邸か首相公邸に陣取って「人命第一の情報」収集に努めると同時に予想される記録的な大雨の推移を見守っていなければなからなかったはずだ。

 人命への想像力の欠如という点では産経新聞論説委員兼政治部編集委員阿比留瑠比はに対しても同じ指摘ができる。〈赤坂自民亭が開かれたのは5日夜のことであり、被害の深刻さが明らかになってきた6日夜ではない。〉とする、そのことが問題となっているわけではなく、例年化に備えた前以っての危機管理が問題となっていることを無視した正当性・合理性を欠いた事実関係等を挙げて安倍晋三の危機対応の不備・満足に果たしていなかった人命への想像力の欠如に免罪符を与えることはできなかったろう。

 提灯持ちでなければできない危機対応に於ける責任の見逃しであろう。

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