安倍晋三:森友・加計疑惑を国民目線からの素朴な疑念で免罪、行政の公平を責務としているが如く言う鉄面皮

2018-08-14 11:45:34 | 政治
 

  【鉄面皮】「《鉄でできている面(つら) の皮の意》恥知らずで、厚かましいこと。また、その人や、そのさま。厚顔」「goo辞書」

 この「鉄面皮」という言葉にはウソつきの意味を含む。ウソつきでなければ、恥知らずで、厚かましい態度を取ることはできない。

 2018年8月13日付「毎日新聞」記事が安倍晋三の8月12日に行った山口県下関市の講演での発言を伝えている。

 安倍晋三「(自身の政治姿勢について)国家、国民のために何をなすべきか。その大義の下で行政を公平に司る(つかさど)。これは首相として当たり前の責務だ」

 要するに首相の当然の責務として「行政を公平に司」り、「国家、国民のために」尽くしてきたと誰憚ることなく、そして恥ずかしげもなく堂々と高言している。

  【高言】「偉そうに大きなことを言うこと。また、その言葉」「goo辞書」

 記事は、〈森友問題で妻昭恵氏の、加計問題で親友の加計孝太郎・加計学園理事長の関わりが問題視されたことについて〉次のように発言したと紹介している。

 安倍晋三「国民の目線に立てば、私の妻や長年の友人が関わっていたのであれば疑念の目が向けられることは当然で、意識が必ずしも十分ではなかった。慎重の上にも慎重に政権運営に当たらなければならない」

 いわば「私の妻や長年の友人が関わっていた」のだから、「国民の目線」から見れば、「疑念の目が向けられることは当然」だとの言い回しで、森友・加計疑惑を妻や友人が関わっていたことのみが原因した国民の一般的な感覚上生じた、それゆえに素朴な疑念に過ぎないとしていることになる。

 森友・加計疑惑が事実その通りの国民目線から発せられた素朴な疑念に過ぎないと片付けることができるなら、安倍晋三の発言は何の誤魔化しもなく、公平な行政を口にする資格は十二分に備えている。

 言っていることが事実でなかったなら、国民目線からの素朴な疑念で収めて、その程度のことに過ぎないと鉄面皮にも自らを免罪していることになる。

 記事はさらに「安倍1強」と言われる政治状況に関しての発言を伝えている。

 安倍晋三「ふるさとの皆さんが一番分かっている通り、私は極めて融和的な人間だ。強権的な遣り方なんて長続きしない」

 「私は極めて融和的な人間だ」と発言したとき、記事は笑いを誘ったと書いている。言っていることは、「自分は安倍1強に反して強権的な遣り方には無縁な極めて融和的な人間であって、だから5年8カ月近くも政権が続いた」という意味を取る。

 但し強権的であるゆえに長期政権となる例は世界に事欠かない。そもそもからして「安倍1強」という言葉からは「融和的な」な色彩を見つけ出すことはできない。何事も「融和的」であったなら、「安倍1強」と表現されることはない。

 その上、「極めて融和的な人間」であることを「一番分かっている」のは「ふるさとの皆さん」としていて、国民おしなべての理解だと自信を持って言い切っているわけではない。

 山口県下関市は安倍晋三の地元である。当然、そこでの講演となると、席を占めるのは敵情偵察が何人かはいるかも知れないが、殆どは安倍晋三支持者で占められる。支持者ともなると、贔屓の引き倒しの特別扱いをすることになって、人物像を優れた長所のみでつくり上げることになる。

 そういった支持者の特別誂えの色メガネに頼って、自身が「極めて融和的な人間」であることを証明した。逆説するなら、そういった支持者の特別誂えの色メガネに頼らなければ、自身が「極めて融和的な人間」であることを証明できなかったということになる。

 国民おしなべての理解でない以上、「ふるさとの皆さん」の理解に限った「極めて融和的な人間だ」とする自己評価は公平な判断とは決して認めることはできない。

 一国の首相でありながら、全国区ではなく、地元のみの地方区での評価をさも全国区での評価のように装う。その巧妙さは森友・加計疑惑を国民目線から発した素朴な疑念に過ぎないと自己免罪し、行政の公平を責務としているが如くに言う鉄面皮さと同様、信用出来ない如何わしさを抱えている。

 2017年7月と2018年4月の「朝日新聞世論調査」で、「どの程度首相を信用できるか」を聞いている。

 2017年7月調査

 「信用できる」(内閣支持層79%)

 「大いに」4%
 「ある程度」32%
 合計36%

 「信用できない」(内閣不支持層91%)

 「あまり」40%
 「まったく」21%
 合計61

 2018年4月調査
 
 「信用できる」

 「大いに」4%
 「ある程度」27%
 合計31%

 「信用できない」

 「あまり」37%
 「まったく」29%
 合計66%

 「長期政権の弊害を感じるか」

 「感じる」(自民支持層56%)
 「大いに」+「ある程度」59%

 「感じない」
 「あまり」+「まったく」37%

 「極めて融和的な人間だ」とする自己評価とは程遠い姿を描き出している。もし事実「融和的な人間」であったなら、余程の失政がない限り、支持率と不支持率の逆転現象を招くことは先ずあるまい。

 かくかように自己を公平・客観的に見る自己省察能力を全くと言っていい程に持ち合わせていない。このような政治家が「首相として当たり前の責務だ」との使命感をいくら掲げようと、「行政を公平に司る」ことなどできようはずはないし、「極めて融和的な人間」を演じることはできない。

 ことことは第1次安倍内閣でも数々演じてきたが。第2次安倍内閣に於いて特定秘密保護法の強行採決、TPP承認案と関連法案の強行採決、働き方関連法案の強行採決、安保関連法案、その他の頭数を力とした強行採決から窺うことができる強権性が証明することになる。

 森友・加計疑惑を国民目線から発した素朴な疑念に過ぎない、大したことはないと自己免罪して幕引きを図る。強権性を自らの政治姿勢としていながら、当然、「極めて融和的な人間」であるはずはないのに地元支持者の評価を以ってしてそのような人間だと自己規定する。

 鉄面皮なまでのウソつきだということである。次期総裁として安倍晋三を支持している7割の自民党国会議員とそのような国会議員に右へ倣えする地方党員はウソつきのウソに乗って安倍晋三に投票し、今後3年間ウソつきの首相の首を繋ぐことになる。
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