■2000形・2200形特急 μスカイ
本日は名古屋鉄道が誇る新型特急μスカイの特集を掲載したい。小生の周りでは、なにかとJR東日本の成田エクスプレスと比較されるこの新型特急であるが、成田エクスプレスの写真と比較していただければ幸いである。
新鵜沼駅~犬山遊園駅の旧自動車鉄道併用橋犬山橋を越える2000形。2000形・2200形は様々な相違点があるが、最も端的な点としては、ブルーが2000形、スカーレットが2200形という区分である。このμスカイは新しく整備された中部国際空港と名古屋、岐阜、豊橋、犬山を結ぶ特急用・快速特急用の車両として導入が始まった。
常滑線を中部国際空港に向けて快走する2200形。窓や扉の配置からみてもわかるように、先頭の一号車・二号車が特別車であり、一回の乗車あたり距離にかかわらず350円の特別車券が必要となる。しかし、旧呼称で座席指定券と呼ばれていたことからわかるように全席指定で、立ったまま乗車という心配はない。後ろの一般車はセミクロスシート方式となっている。
名古屋名駅高層ビル群を背景に快走。2000形と2200形の最大の相違点は、全車特別車であるか否かという点であるが、これは2200形が空港特急用途以外に名鉄岐阜~豊橋という本線特急で用いられる為であり、空港専用特急である2000形には先頭車両に“Centrair”というロゴが取り付けられているが2200形にはそれが無い。
7000形以来全面展望車型特急という名古屋鉄道特急の系譜は、三両編成の1600形特急導入により断絶しているが、これは都市間高速鉄道と観光鉄道という性格から、特に後者の部分を空港連絡鉄道としての転換の過渡期であるためとも見て取れる。なんとなれ、全面展望車は空港特急としての性格を見た場合、写真の1000形では必ずしも荷物運搬などに優れているかには疑問符が付く為であろうか。
2000形は、2005年に日本産業デザイン振興会よりグッドデザイン賞を受賞、2006年には鉄道友の会よりローレル賞を受賞している。写真は2005年に撮影したものであるが、グッドデザイン賞受賞のロゴを示したステッカーを誇らしげに掲げている。
中部国際空港駅に佇む2200形。名鉄名古屋駅から中部国際空港駅までの所要時間は、2000形で30分弱、2200形で30分強であり、名鉄名古屋駅は近鉄名古屋駅と地下ホーム連絡口があり、また、地上にはJR東海の名古屋駅が所在するが、JR名古屋駅からの連絡は、中央改札から少しだけ距離がある。
2000形の新機軸としては、名鉄車輌として振り子式制御装置を導入している点で、これは勾配の比較的多い常滑線での高速走行を意識した為といわれる。また、運転台付近にはCCDカメラが設置されており、各車両に搭載されている22インチ液晶ディスプレイに運転台からの眺望を提供しており、全面展望車時代の名残というべきだろうか。
2005年岐阜基地航空祭において撮影した2000形。本線特急としても用いる2200形は6編成分が増産されるといわれ、本線特急においても、現在主力である1000形と代替してゆくのだろう。しかし、成田エクスプレスよりは京成電鉄のスカイライナー、サザンよりはラピート、こうや(用途は違うが)の方が、洗練されたと感じるのは小生だけであろうか。
中部国際空港駅より、名鉄名古屋駅方面に出発した快速特急を、中部国際空港駅ターミナルより撮影。中部国際空港から発車する特急の特別車部分は、特に夕刻を中心に乗車率は高く、また国際線などの連絡は駅より近傍にあり、同時に空港施設そのものを新しい観光スポットとして確立させることに成功しており、この特急の乗車率も維持されそうであるが、同時に個人的希望としてブルーリボン賞を射程に収めた7000形の後継となるべき車輌の登場にも期待したい。
HARUNA
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