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北大路機関

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第4施設団創設52周年・大久保駐屯地祭(2013.05.26) PowerShotG-12撮影速報

2013-05-27 23:41:42 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆中部方面隊直轄施設部隊の記念行事

 日曜日、宇治市の大久保駐屯地祭へ行ってまいりました、EOS-7Dの写真は未整理で、G-12の写真にて速報を紹介します。

Oimg_5495 大久保駐屯地の第4施設団は第6施設群、第7施設群、第304施設隊、第305施設隊、第102施設器材隊、第307ダンプ中隊を以て中部方面隊直轄施設部隊の任務に当たっており、宇治川以南の京都府と陸上自衛隊駐屯地が置かれていない奈良県の災害派遣を担当しているのも第4施設団です。

Oimg_5502 第4施設団長小野塚貴之陸将補へ敬礼する副団長兼ねて観閲部隊指揮官の池原伸浩1佐、乗車しているのは82式指揮通信車で、今回の行事に合わせ福知山駐屯地の第7普通科連隊より参加した車両、施設団はその任務の特性上から指揮通信車を装備していない。

Oimg_5519 第6施設群長大足卓也1佐、6施群は愛知県豊川駐屯地に駐屯し、群本部と本部管理中隊、築城を担当する第369施設中隊、障害構築を担当する第370施設中隊、機動支援を担当する第371施設中隊、交通維持を担当する第372施設中隊より成り、第369施設中隊は岐阜分屯地へ、第372施設中隊は鯖江駐屯地へ駐屯、これはかつての地区施設隊の名残だ。

Oimg_5523 第370施設中隊、行進しているのは道路障害作業車で、六種類のアタッチメントを用い道路上に障害を構築し敵部隊の前進を阻害する車両、クレーンなどの汎用車両として災害派遣にも活躍し、車体部分は旧称73式大型トラック、所謂3t半を用いており、よくみるとキャビン部分に防弾装甲とフロントガラス部分に防弾ガラスが装着しているのが見える。

O0img_5536 第7施設群より群長重村和幸1佐以下の観閲行進、7施群はここ大久保駐屯地に駐屯する部隊で、隷下に築城及び障害を担当する第379施設中隊と第380施設中隊、機動支援を担当する第381施設中隊と交通維持を担当する第382施設中隊、それに第304水際障害中隊が置かれている。

O0img_5544 第379施設中隊、ちなみに第7施設群は、第382施設中隊が富山駐屯地に、第304水際障害中隊が和歌山駐屯地に駐屯している。福井県に第6施設群隷下の施設中隊があり、富山県に第7施設群隷下の施設中隊がある、ということになり、少々覚えにくい。

Oimg_5559 第380施設中隊、築城と障害を担当する中隊で、施設科部隊は防御陣地やその陣地を守る地雷原を構築し、反撃に転じた際に敵地雷原や陣地防御のための障害を除去する必要がある。このほか、交通維持や機動支援は、補給路を航空攻撃や砲撃から機能維持し作戦遂行能力を支え、地形障害を突破し味方部隊の機動を支えるもの。

Oimg_5574 92式地雷原処理車、戦車用通路を地雷原に一挙に啓く爆薬を投射するもので、大型爆薬をロケットにより多数一直線等間隔に配置、爆破し周辺の地雷を誘爆させ処理するもの。もともと師団施設大隊に装備され、第一線の戦闘工兵任務に用いられたが、集中運用へ方面施設部隊へ集中配備された。

Oimg_5580 第304施設中隊の観閲行進、出雲駐屯地に駐屯している施設隊で、日本海に面するこの駐屯地には第13偵察隊を中心とする部隊が駐屯しています、もともと第13対戦車中隊が配置されていたのですが旅団改編で廃止され、偵察隊と施設隊だけの駐屯地に、長大な海岸線を有する山陰地方だけに施設隊も重要な防衛力として配置されていることは確か。

Oimg_5584 75式装甲ドーザ、第381施設中隊のもの。装甲ドーザも戦闘工兵用車両で第一線師団に配備されていたのですが、後継装備の不足から集中運用で方面隊へ召し上げられた装備です。後ろに見えるのは自走式破砕機、こうした装備は補給路維持を行う方面施設ならでは。

Oimg_5598 第305施設隊、こちらも独立施設隊という印象の強い部隊で、岡山県岡山市の三軒屋駐屯している部隊、同駐屯地は関西補給処の弾薬支処として有名。もともとは第2混成団の支援に当たる善通寺駐屯地の施設隊でしたが2008年に善通寺駐屯地から瀬戸内海を渡り三軒屋駐屯地に移駐しました。

Oimg_5609 第102施設器材隊の観閲行進、渡河器材、架線に応急架橋を行う装備を運用しており、測量データをもとに架橋開始より数時間程度、百数十分で架橋を完了させることが出来ます。部隊には迅速に架橋を行う92式浮橋と安定しており多数の車両通行を同時に担う重パネル橋を装備しています。

Oimg_5621 92式浮橋、左側に或る浮橋関節を河川上に展開させ、これを連結し端を完成させます、ただそのままでは下流に流されてしまうため、右側の動力ボートにより押しながら車両通行を維持する、というもの。90式戦車など自衛隊が装備する全ての戦闘車両を渡河させることが可能で、浮橋関節のみを艀のように分けて用いることも可能です。

O0img_5631 自走式破砕機、こちらも第102施設器材隊の装備で、岩石などを細かく砕き、道路用に用いるもの。補給路が破壊された場合、速やかに修復しなければなりませんので、手近な採石場や岩石をそのまま破砕して用います、穴があけば埋めればいいというのは埋めるものがすぐ入手できる平時の発想、有事の際には全て自前で対応せねばなりません。

Oimg_5646 第307ダンプ中隊、30両以上のダンプを集中運用し、道路維持などの支援に当たります。ダンプは師団施設大隊にも装備されているのですが、自衛隊としては多数のダンプを揃えているも、民間の建設会社よりは保有数は桁が幾つか少ないのも実情、災害派遣の能力を過大評価する動きはありますが、自衛隊は戦闘任務に当たる部隊が自己完結能力を以て災害時に対応している、という認識をこうした行事の際にも思い出しておくべきでしょう。

O0img_5664 第3施設大隊の観閲行進、千僧駐屯地の第3師団隷下に或る戦闘工兵部隊ですもともと方面施設が建設工兵、第一線で任務に当たる師団施設が戦闘工兵と言われていましたが、今日では曖昧な区分となっています、この施設大隊も大久保駐屯地に駐屯、まさに中部方面隊施設部隊の中枢といえる所以でしょう。

Oimg_5671 第3施設大隊の編成は本部と三個施設中隊を以て編成、施設部隊は攻撃前進の支援などの任務で戦車部隊や普通科部隊よりも前に出て障害処理や渡河任務にあたるわけで、そのためにはもう少し装甲車両が必要なのですが、施設作業車など高度な装備がありつつ予算上数が揃わないのが泣き所です。

Oimg_5673 81式自走架橋柱、油圧駆動式の橋脚を備えた橋桁を連接させ渡河するもの、後継装備として川床地形や流速に影響を受け無い様橋脚を省いた07式機動支援橋の装備が一部部隊より開始されていますが、本装備は小分けで使えるため使い勝手の良さはある、とのこと。

Oimg_5680 トラッククレーン、重器材の設置と展開には必要な装備です。ただ、やはり戦闘工兵なのですから、96式装輪装甲車に排土板と油圧ショベルアタッチメントを装備した施設装甲車や10式戦車の車体を流用した装甲ドーザと地雷原処理装置を加えたものを本部管理中隊でもいいので装備してほしいところ。

Oimg_5717 豊川駐屯地の第49普通科連隊。同連隊は第10師団隷下の部隊ですが記念式典にも一個中隊が参加していましたので、移駐しているのでしょう。同連隊は即応予備自衛官主体の連隊で年度末に第10師団より中部方面混成団へ管理替えとなります。これで中部方面混成団も第14旅団並に二個連隊を有することに。

Oimg_5726 伊丹駐屯地より参加した第3偵察隊の87式偵察警戒車、俊足を活かして高速展開し、機関砲と暗視装置を以て偵察任務に当たる車両です。ここまで大久保駐屯地と第4施設団隷下部隊の行進でしたが、ここからは大久保駐屯地所在部隊以外の陸上自衛隊の装備紹介的な意味での観閲行進、となってゆきます。

Oimg_5738 96式装輪装甲車、今津駐屯地の第3戦車大隊より参加した車両、戦車大隊本部の車両で、大隊本部要員や戦車支援に当たる。式典の他訓練展示模擬戦にも重要な車両として参加します。また、後ろには第7普通科連隊より参加した120mm重迫撃砲RTと牽引車両が見える。

Oimg_5752 第3特殊武器防護隊の化学防護車、この時点でヘリコプターの観閲飛行も近づいてきましたが、二台カメラ同時操作で角度的に厳しいものがあったのでG-12での撮影は断念して、EOS-7Dでの撮影に集中、飛行は二機編隊でAH-1S対戦車ヘリコプターとUH-1J多用途ヘリコプターという編隊でした。

Oimg_5763 豊川駐屯地より第10特科連隊のFH-70榴弾砲、ちなみに、伊丹駐屯地祭のように正面からの角度を狙っての撮影位置確保でしたが、観閲行進の規模と式典会場の広さを考えると、もう少し前進した位置を確保したほうが良かったか、大久保駐屯地は元陸軍飛行場、かなり広い。

Oimg_5772 観閲行進の最後を飾る第3戦車大隊の74式戦車、やはり戦車の迫力は大きいが、この前進を支えるのが施設部隊の装備、こうして観閲行進は完了し、続いて訓練展示へ展開です。訓練展示は別の場所から撮影しましたが、そちらはG-12と二台撮影することは出来ず、EOS-7Dのみとなりました、その様子は別の機会に紹介しましょう。

北大路機関:はるな

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コメント (2)
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