◆北朝鮮弾道弾へ防衛省は警戒継続を強調
NHK報道によれば、昨夜1930時頃、横須賀基地のイージス艦きりしま、が舞鶴基地へ入港したとのこと。
防衛省は北朝鮮ミサイル発射態勢の確認とともに我が国への飛来を警戒し、ミサイル破壊措置命令を発令、現在も継続中ですが、このなかで朝鮮半島日本海沿岸に配置された中距離弾道弾発射設備の撤去が確認され、これを含めミサイル発射の切迫度は下がったものと判断、このためイージス艦の警戒態勢を再配置したものと考えられます。ただ、防衛省は今回の舞鶴きりしま入港も訓練であるか実任務であるかの明言を避けたうえで、必要な警戒態勢を今後も維持してゆく、と発表しました。
4月7日のミサイル破壊措置命令発令に伴う迎撃態勢について、防衛省は警戒態勢の全容を報道発表していませんが、海上自衛隊のいーじすかんによる警戒態勢と迎撃準備、航空自衛隊の防空監視所による警戒とペトリオットミサイルPAC-3により弾道ミサイル防衛は行われますが、航空自衛隊の今年度行事は軒並み訓練その他の都合により中止となっており、イージス艦なども出港していることから、日本海側へ2隻による警戒が行われ、防衛省本省の市ヶ谷基地へは地上迎撃部隊が展開していることが報じられています。
北朝鮮のミサイル脅威は、今回日本海側へ展開された中距離弾道弾よりも短い射程の弾道弾であっても朝鮮半島深部からの移動発射装置による運用により我が国を射程に収めています。結果、発射装置の撤去は必ずしも脅威の解消を意味しないのですが、緊張状態を緩和したいとの北朝鮮側の意図の表れともいえるもの、こういうことができるやもしれません。また、ミサイル破壊措置命令発令あら一ヶ月以上を経ており、これらを総合し、慎重な判断が行われていることが考えられます。
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