◆浜松航空祭飛行展示の始まり
エアフェスタ浜松、前回の掲載から少々掲載に間が空きましたが本日再開です。
T-4練習機、四機編隊にて浜松基地上空へ進入します。双発の亜音速練習機だるT-4は機体からエンジンまで純国産の練習機として開発され、文字通り純国産の搭乗員を養成しています、戦闘機のような重い轟音ではなく軽やかなエンジンの八連奏、これがオープニングフライト、いよいよ浜松基地航空祭の始まり。
航空自衛隊では200機以上のT-4練習機を導入、安定性と不意の故障を想定し双発エンジンを採用するとともに、機体性能を練習機に絞った亜音速機として完成したT-4は低い取得費用と共に安定或る操縦特性を有し、航空自衛隊の信頼を実力で勝ち取るに至りました。
四機編隊の航過飛行、さて、お分かり頂けると思いますが、これが航空写真の逆光です。逆光というと空が日射に反射し白っぽく、という印象を持たれる方も多いと思いますが、空が青く映るとも機体が逆光で暗い影だけになってしまいます、これを避けるためには仮装路上を飛行する機体の反対側、滑走路の向こうへ移らなければならない。
基地防空用装備、81式短距離地対空誘導弾、陸上自衛隊のものと同じ装備です。基地防空隊には2セットが装備されており、これは高射教導隊の装備です。陸上自衛隊の11式地対空短距離誘導弾と併せ高機動車の車体に装備した基地防空用地対空誘導弾が出ていないか、と期待したのですが、これはまだでした。
ペトリオットミサイルPAC-3,高射教導隊ですので、教材としてミサイル本体が展示されています。陸上自衛隊は下志津駐屯地に高射学校を置き高射特科部隊の教育と研究を行っていますが、航空自衛隊も基地防空と都市防空用に地対空誘導弾を保有しており、浜松基地の高射教導隊ではこの研究と教育を行っています。
航空自衛隊の高射隊は、前述の通り、歳防空と基地防空を担っていますが、元々は陸上自衛隊に一元化されていました。しかし、都市防空は要撃管制と一体化した防空作戦の一環として行う必要があり、こうして陸上自衛隊が装備していたナイキ長射程地対空誘導弾は航空自衛隊へ移管されました。
これは現在ペトリオットミサイルへ置き換えられ、陸上自衛隊には高射砲と高射機関砲が残され、後継装備がミサイルとなって今に至る。と、まあこんな運びですが実はまだ地上展示を撮影完了する前でした、このT-4練習機の上空通過までに地上展示をすべて完了しておきたかったのですが、急ぎ足で。
陸上自衛隊のOH-1観測ヘリコプター、外来機として展開です。航空脅威下で防空脅威状況下での強行偵察を含めた高性能観測ヘリコプターとして開発されましたが、開発中に冷戦が終結しソ連も崩壊、当初は250機を導入する計画が八割五分の縮小となり、僅か30機ほどが生産、結果、データリンク研究などが行われるも陸上航空体系への比重が低くなったため近代化改修の予算に踏み切れず、取り残されつつある残念な航空機の一つ。
航空消防車、展示ではありますが同時に待機ですね。なお、OH-1を掲載しますと必ずと言っていいほど、川重のOH-1機関部を富士重工UH-1に載せろとか、無関係に毎回同じオレサマ開発案をコメント欄に掲載される方がいますが、お願いですから当該記事で投稿者が問題点を指摘され自身の矛盾点を反論できないので、まだ反論を掲載されていない無関係記事で同じ主張を仕切り直すことはやめてください。当該記事で指摘への反論をコメントしましょう。
さて、地上展示機を一回りしたところで、T-4練習機がコンバットピッチ飛行で浜松基地上空へ進入してきました。この飛行は、密集体系で飛行場上空を飛行し目視確認を行ったのち、速やかに一機一機が着陸態勢に移行し、編隊が迅速に着陸を完了させるもの。
四機はそのまま旋回し同じ経路を滑走路へと進んでゆく、ここでT-4練習機の着陸を以てオープニングフライトはひと段落するのですが、併せて次の飛行展示までに移動を開始したいところです。しかし、滑走路の向こうは同じ浜松基地とはいえ、もともとは浜松北基地と浜松南基地となっていたところ。
航空祭、というと、大混雑、という印象があるようです。実際、コミケか入間航空祭か、と言われるほどの混雑、今年の夏コミは会場内に雲が涌いたりするほどで過去最高の三日間で56万も来場、という話ですが、入間基地航空祭は一日で20万以上が来場します。この浜松基地も航空祭では上位三位に入る来場者が集う航空祭ですが、まだ混雑はこのくらい。
航空祭で最も混雑するのは、ブルーインパルスのT-4練習機列機前で、混雑するのはブルーインパルス飛行展示開始直前です。ちなみに、ブルーインパルス飛行展示は航空祭の最後の飛行展示として行われることが多く、ブルーインパルス飛行展示終了後一斉にシャトルバスと駐車場へ人が向かうため、冗談抜きで航空祭終了後駐車場から出るのに渋滞三時間、基地から最寄駅までシャトルバス所要時間四時間、ということが起きる。
T-4練習機の着陸、滑走路の反対側へ移動を開始したいところですが、このT-4の着陸は撮影してからいどうしたいです。さて、皆様、ここまで三回に渡り読まれてお気づきになったかもしれませんが、滑走路反対側にどうするといいつつ、この撮影位置で次を撮影して移動しようを繰り返し結局格好良く航空祭慣れを強調しつつ単なる移動失敗教訓特集で終わるのでは、と思われる方がいるかもしれません。まあ、それは次回以降に。
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