◆九州・南西諸島では海上自衛隊演習を展開
防衛省によればフィリピン国際緊急援助統合任務部隊海上拠点のレイテ湾及び周辺海域への前方展開が完了し、明日より活動開始するとのことです。
フィリピン国際緊急援助統合任務部隊は、ヘリコプター搭載護衛艦いせ、輸送艦おおすみ、補給艦とわだ、以上三隻で、レイテ湾とその周辺海域へ展開しました。更に、護衛艦や輸送艦により展開した陸上自衛隊ヘリコプター部隊も前進拠点へ展開、明日へ備えているもよう。
海上部隊の支援により展開したヘリコプター部隊は医療航空援助隊としてタクロバンとボロンガンの周辺を主として展開することとなっており、セブ島のマヤへ医療隊の展開も完了しています。今後陸上部隊と海上部隊は連携の元行動することとなるのでしょう。
更に現在既に航空自衛隊の空輸部隊がマニラとセブ、タクロバン、ロハスの地域の輸送に当たっています。既に7機のC-130輸送機が展開しており、これは航空自衛隊が保有するC-130輸送機の約半数に当たります。今後任務期間はどの程度かは不明ですが、活躍を期待したいところ。
対して現在、九州と沖縄周辺海域では海上自衛隊演習が展開中です。海上自衛隊演習は毎年この時期に実施されているもので、自衛艦隊司令官松下泰士海将指揮下のもと、先週の11月16日から来週の11月28日まで実施されています。
自衛隊統合演習の参加部隊は、艦艇15隻と航空機50機で、例年さらに大きい揖保の艦艇が参加し、米海軍なども参加しているのですが、海上自衛隊の参加規模と米海軍の参加はフィリピンにおける台風30号被害への救援任務、つまり実任務により参加規模が削減されることとなりました。
海上自衛隊演習は1954年の海上自衛隊創設と共に実施されているもので1981年からは米海軍が参加するようになっています。海外での実任務と国内での大規模訓練の両立は少々厳しい面も考えられますが、指揮官の情勢判断と部隊運用を重点として展開中です。
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