■安全保障法制施行
本日、安全保障法制が施行されました。そこで本日はこの法制についての再確認とともに、外からの視点からこの法整備を考えてみましょう。

あ、そこ自衛隊の圏外なので助けに行けません、という状況からの脱却、安全保障関連法制はこれまでいろいろ言われていたところですが、邦人保護一つとっても意義はあるといえるのではないでしょうか。従来法では海外の突発的な緊急事態で空港か港湾まで自衛隊は救出に行けますが孤立地域まで展開する事は法的にできませんでした。孤立地域の邦人保護まで自衛隊が進出する場合は、その過程で戦闘が発生する可能性があった為です。

これまで、孤立邦人は自力で空港まで脱出しなければなりません、手続きを経て自衛隊の保護下に入れば防護してもらえますが、空港隣接地域やロビーで銃撃を受けてもこれまでの法制下では自衛隊は合法的に助ける事は出来ませんでした。勿論、違法行為でも緊急避難という形で邦人保護へ自衛隊が積極的に可能な範囲内の行動をとる事は可能ではありましたが、一国の軍事機構が戦闘を刑法上の緊急避難として展開するというこれまでの苦肉の策も少々無理がありました。

一方、これまでの法整備は、日本国内での認識から考えた場合、ある程度納得と云いますか、日本の外に出るならば自己責任、という一種の理解があるのですが、日本以外の諸国から見た場合、どのように映るのかを考える必要があるでしょう。自国の同胞が海外の紛争地で孤立し、国にその孤立した自国民を防衛力により救出する能力はあるのだけれども、国内法で外国に脅威を与えない、という視点から救出せず人命が失われないよう祈る、という施策は、なかなか理解されません。

安全保障関連法制により自衛隊が可能となる任務は以下の通り、存立危機事態と集団的自衛権の行使、外国軍隊への後方支援、国際平和協力活動、グレーゾーン事態、などについて。集団的自衛権の行使はそもそも集団安全保障機関である国連に加盟したのが1956年で日米安全保障条約も含めこれまで制定され無かった事こそが政治の怠惰というもの、といえるかもしれません。

この他、外国軍隊への後方支援は同一行動を行う外国軍隊に非協力を明示する現行法にそもそも無理がありました、国際平和協力活動はこれまで参加する事は出来ても指揮下には国内法上入る事が出来ないというもので実態とかい離していました、グレーゾーン事態は現在まで相手がわが国土に手を出すのを待ち構え一挙に反撃するという施策にも少々不可解な部分があります。

特に、国連そのものが国際の平和と安全の維持を使命とする組織であり、国連加盟国は国連に対する支援義務が国連憲章に盛り込まれており、この国連憲章を履行する主権国家の実が国連への加盟を許される、としています。すると、従来法を厳格に守る場合、日本は国連から脱退する、という議論が当然あり得るはずなのですが、こうした議論は無く、故に国連憲章と日本国憲法の乖離、という状態がありました。そして、ここが漸く是正された、ということ。

建前論で押し通した従来法を改めた訳ですので、海外報道ではその解説に苦慮している様子があります、そもそも自衛隊は憲法上軍隊ではない、というこの国内事情を説明する事も日本以外では句碑雲丹困難を要するものでした。韓国や中国、アメリカにイギリスといった諸国の海外報道を見ますと、そもそも日本が何故これまでこの当たり前の施策を禁じていたかを説明するのに苦労しているようですね。

PKOでの駆けつけ警護、これについては素朴な疑問があります、主として前回の記事で紹介すべき命題でしたが、南スーダンは紛争地になっているのでPKO撤退すればいいと思う、と民主党は、いや民進党でしたか、主張しないのは不可解です、南スーダンPKO派遣を決定したのは当時の民主党政権でして、失策を認める事になるからなのかもしれません、が。

紛争地化する蓋然性が元々高い地域へ自衛隊を展開させ、万一の状況が生じる可能性はあり、実際内戦状態や国境紛争が発生、そもそも距離が大き過ぎ、自衛隊の空輸支援能力ではギリギリの地域、そして南スーダンはPKO部隊を盾にしてスーダンへ越境攻撃を加えた国です、この当たりの国会議論で民主党の論理転換は見ていて非常に不可解です。その上で不測の事態が起きていないのに法制化する事を批判する様子は、不測の事態を待っている印象が拭えません。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
本日、安全保障法制が施行されました。そこで本日はこの法制についての再確認とともに、外からの視点からこの法整備を考えてみましょう。

あ、そこ自衛隊の圏外なので助けに行けません、という状況からの脱却、安全保障関連法制はこれまでいろいろ言われていたところですが、邦人保護一つとっても意義はあるといえるのではないでしょうか。従来法では海外の突発的な緊急事態で空港か港湾まで自衛隊は救出に行けますが孤立地域まで展開する事は法的にできませんでした。孤立地域の邦人保護まで自衛隊が進出する場合は、その過程で戦闘が発生する可能性があった為です。

これまで、孤立邦人は自力で空港まで脱出しなければなりません、手続きを経て自衛隊の保護下に入れば防護してもらえますが、空港隣接地域やロビーで銃撃を受けてもこれまでの法制下では自衛隊は合法的に助ける事は出来ませんでした。勿論、違法行為でも緊急避難という形で邦人保護へ自衛隊が積極的に可能な範囲内の行動をとる事は可能ではありましたが、一国の軍事機構が戦闘を刑法上の緊急避難として展開するというこれまでの苦肉の策も少々無理がありました。

一方、これまでの法整備は、日本国内での認識から考えた場合、ある程度納得と云いますか、日本の外に出るならば自己責任、という一種の理解があるのですが、日本以外の諸国から見た場合、どのように映るのかを考える必要があるでしょう。自国の同胞が海外の紛争地で孤立し、国にその孤立した自国民を防衛力により救出する能力はあるのだけれども、国内法で外国に脅威を与えない、という視点から救出せず人命が失われないよう祈る、という施策は、なかなか理解されません。

安全保障関連法制により自衛隊が可能となる任務は以下の通り、存立危機事態と集団的自衛権の行使、外国軍隊への後方支援、国際平和協力活動、グレーゾーン事態、などについて。集団的自衛権の行使はそもそも集団安全保障機関である国連に加盟したのが1956年で日米安全保障条約も含めこれまで制定され無かった事こそが政治の怠惰というもの、といえるかもしれません。

この他、外国軍隊への後方支援は同一行動を行う外国軍隊に非協力を明示する現行法にそもそも無理がありました、国際平和協力活動はこれまで参加する事は出来ても指揮下には国内法上入る事が出来ないというもので実態とかい離していました、グレーゾーン事態は現在まで相手がわが国土に手を出すのを待ち構え一挙に反撃するという施策にも少々不可解な部分があります。

特に、国連そのものが国際の平和と安全の維持を使命とする組織であり、国連加盟国は国連に対する支援義務が国連憲章に盛り込まれており、この国連憲章を履行する主権国家の実が国連への加盟を許される、としています。すると、従来法を厳格に守る場合、日本は国連から脱退する、という議論が当然あり得るはずなのですが、こうした議論は無く、故に国連憲章と日本国憲法の乖離、という状態がありました。そして、ここが漸く是正された、ということ。

建前論で押し通した従来法を改めた訳ですので、海外報道ではその解説に苦慮している様子があります、そもそも自衛隊は憲法上軍隊ではない、というこの国内事情を説明する事も日本以外では句碑雲丹困難を要するものでした。韓国や中国、アメリカにイギリスといった諸国の海外報道を見ますと、そもそも日本が何故これまでこの当たり前の施策を禁じていたかを説明するのに苦労しているようですね。

PKOでの駆けつけ警護、これについては素朴な疑問があります、主として前回の記事で紹介すべき命題でしたが、南スーダンは紛争地になっているのでPKO撤退すればいいと思う、と民主党は、いや民進党でしたか、主張しないのは不可解です、南スーダンPKO派遣を決定したのは当時の民主党政権でして、失策を認める事になるからなのかもしれません、が。

紛争地化する蓋然性が元々高い地域へ自衛隊を展開させ、万一の状況が生じる可能性はあり、実際内戦状態や国境紛争が発生、そもそも距離が大き過ぎ、自衛隊の空輸支援能力ではギリギリの地域、そして南スーダンはPKO部隊を盾にしてスーダンへ越境攻撃を加えた国です、この当たりの国会議論で民主党の論理転換は見ていて非常に不可解です。その上で不測の事態が起きていないのに法制化する事を批判する様子は、不測の事態を待っている印象が拭えません。
北大路機関:はるな くらま
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