■練習艦隊2016
海上自衛隊練習艦隊による近海練習航海及び外洋練習航海の日程が公表されました。
近海練習航海は幹部候補生学校を卒業し任官する初級幹部に対し練習艦及び護衛艦に実際に乗艦し、艦上での訓練作業を通じ、続いて実施される遠洋練習航海に求められる基礎的事項を習得させると共に艦内生活への慣熟を通じ、初級幹部の素養を練成すると共に、海上指揮官と船乗りとしての礼儀作法世界観所謂シーマンシップを経験として身に着ける事が目的です。
近海練習航海は全国の港を3月19日から5月20日までの期間を通じ巡航します、入港歓迎行事や交歓行事等が行われ、こうして全国の海上自衛隊基地や港湾への寄港と交流を経て、我が国及び海上自衛隊の現状を理解させる、というものです。寄港先は後述しますが、北海道から沖縄まで艦隊が巡行、近海練習航海部隊参加要員への修養と共に、全国国民への重要な広報の機会ともいえるでしょう。
外洋練習航海は、飛行幹部候補生課程修了者を対象とし、初級幹部自衛官として必要な知識と経験を海外の港湾と各国海軍との交流を行う事を通じて身に着け、幹部自衛官として必要な資質を育成し、友好国との友好親善の増進を図る、というものです。遠洋練習航海と外洋練習航海は別の訓練で、飛行幹部候補生課程修了者は外洋練習航海完了後、練習機での課程に移行します。期間は3月19日から4月27日までとのことでした。
練習艦隊からの参加部隊について。近海練習航海は練習艦隊司令官岩英俊海将補を指揮艦とし、参加艦艇は、練習艦かしま、練習艦せとゆき、護衛艦あさぎり、以上の3隻です。参加人員は各艦乗員と第66期一般幹部候補生課程修了者等193名でこの中で女性19名が含まれています、また海外からもタイ王国留学生1名、東ティモール共和国留学生1名が参加し全体で700名が参加します。
練習艦隊、外洋練習航海部隊には、第15護衛隊司令森下治彦1等海佐と第1練習潜水隊司令吉野宏昭1等海佐が指揮を執ります。参加部隊は、護衛艦ありあけ、護衛艦せとぎり、練習潜水艦おやしお、の3隻で今年度の外洋練習航海には練習潜水艦が参加します。参加規模は、第68期飛行幹部候補生課程修了者55名で、うち女性は2名となっています。練習潜水艦及び護衛艦の乗員を加え規模は500名と発表されました。
近海練習航海部隊の全国寄港日程ですが、以下の通りです。3月19日に江田島基地幹部候補生学校にて修了式を行って後、江田島発、かしま、あさぎり、せとゆき、以上三隻が外洋練習航海部隊とともに江田島を出航します。3月19日から3月20日までは瀬戸内海柱島沖に停泊します、最初の寄港地は大阪港で、3月21日に入港、3月23日に大 阪を出航します。
艦隊は3月28日に海上自衛隊西の最大拠点である佐世保に入港し3月30日佐世保を出航、南下し沖縄に向かいます、4月1日から4月3日まで沖縄の中城に入港、本州へ北上し4月7日に伊勢神宮に程近い三重県鳥羽沖に投錨します。艦隊は東北地方へ向かい仙台港に4月10日入港、4月12日仙台を出航します。4月14日から4月16日まで北方海域防衛を担う大湊基地へ入港します。4月17日から4月19日まで、北海道小樽港へ入港する。
舞鶴基地、日本海防衛の要衝へは4月21日に入港し4月23日に 舞鶴を出航します。4月24日に三机へ投錨、ここは練習艦かしま、練習艦せとゆき、のみの投錨です、三机は三机湾で現在は愛媛県の伊方町となっています、原発で有名となった街ですが海上自衛隊としては旧海軍特殊潜航艇訓練拠点であり、歴史的に海軍との繋がりが大きな場所です。そして4月25日から5月4日まで、練習艦隊司令部が置かれる呉基地へ入港します。
横須賀基地、自衛艦隊司令部が置かれる海上防衛の中枢であり旧海軍の象徴としての基地でもある横須賀へは5月6日に入港し5月8日に出港予定です。かしま、あさぎり、せとゆき、三隻そろっての入港であり、首都東京へは5月9日に晴海埠頭へ入港、5月12日に出港予定です。東京港を出港し、5月12日から5月20日まで再度、横須賀に入港、その後は遠洋航海へ出港することとなります。
外洋練習航海は、フィリピンのスービック海軍基地、スービック湾はかつては横須賀と並ぶアメリカ海軍極東地域の一大拠点で現在は、火山噴火により使用不能となった事を契機にフィリピンへ返還され現在はフィリピン海軍が運用しています。続いて、ヴェトナムのカムランへ入港します、カムラン基地はソ連海軍がヴェトナム戦争終了後にフィリピンのスービック基地に展開する米海軍へ対抗する要衝として整備されました。
スービック基地とカムラン基地への艦隊入港、今回の練習艦隊入港はかつての東西の架け橋となるとともに、南シナ海での大陸からの軍事力による現状変更を企図する勢力に対し、潜水艦と新鋭護衛艦を含む3隻の艦隊が入港する事で友好を深めると共にこの地域での平和が維持されるよう、この海域の安定が国益と直結する我が国として意志を明確に示す意味もあるでしょう。
練習艦隊は、近海練習航海部隊と外洋練習航海部隊が揃って3月19日土曜日に江田島基地を出航します、その様子は出港を対岸から望見する事が出来、江田島市能美島高田港、広島からの高速船が入港する当たりから、正面の単縦陣での艦隊出港を望むことができますし、修了式を見送って後に艦隊出港を江田島津久茂瀬戸に面した高台から見送る事も出来ます。
北大路機関:はるな くらま
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
海上自衛隊練習艦隊による近海練習航海及び外洋練習航海の日程が公表されました。
近海練習航海は幹部候補生学校を卒業し任官する初級幹部に対し練習艦及び護衛艦に実際に乗艦し、艦上での訓練作業を通じ、続いて実施される遠洋練習航海に求められる基礎的事項を習得させると共に艦内生活への慣熟を通じ、初級幹部の素養を練成すると共に、海上指揮官と船乗りとしての礼儀作法世界観所謂シーマンシップを経験として身に着ける事が目的です。
近海練習航海は全国の港を3月19日から5月20日までの期間を通じ巡航します、入港歓迎行事や交歓行事等が行われ、こうして全国の海上自衛隊基地や港湾への寄港と交流を経て、我が国及び海上自衛隊の現状を理解させる、というものです。寄港先は後述しますが、北海道から沖縄まで艦隊が巡行、近海練習航海部隊参加要員への修養と共に、全国国民への重要な広報の機会ともいえるでしょう。
外洋練習航海は、飛行幹部候補生課程修了者を対象とし、初級幹部自衛官として必要な知識と経験を海外の港湾と各国海軍との交流を行う事を通じて身に着け、幹部自衛官として必要な資質を育成し、友好国との友好親善の増進を図る、というものです。遠洋練習航海と外洋練習航海は別の訓練で、飛行幹部候補生課程修了者は外洋練習航海完了後、練習機での課程に移行します。期間は3月19日から4月27日までとのことでした。
練習艦隊からの参加部隊について。近海練習航海は練習艦隊司令官岩英俊海将補を指揮艦とし、参加艦艇は、練習艦かしま、練習艦せとゆき、護衛艦あさぎり、以上の3隻です。参加人員は各艦乗員と第66期一般幹部候補生課程修了者等193名でこの中で女性19名が含まれています、また海外からもタイ王国留学生1名、東ティモール共和国留学生1名が参加し全体で700名が参加します。
練習艦隊、外洋練習航海部隊には、第15護衛隊司令森下治彦1等海佐と第1練習潜水隊司令吉野宏昭1等海佐が指揮を執ります。参加部隊は、護衛艦ありあけ、護衛艦せとぎり、練習潜水艦おやしお、の3隻で今年度の外洋練習航海には練習潜水艦が参加します。参加規模は、第68期飛行幹部候補生課程修了者55名で、うち女性は2名となっています。練習潜水艦及び護衛艦の乗員を加え規模は500名と発表されました。
近海練習航海部隊の全国寄港日程ですが、以下の通りです。3月19日に江田島基地幹部候補生学校にて修了式を行って後、江田島発、かしま、あさぎり、せとゆき、以上三隻が外洋練習航海部隊とともに江田島を出航します。3月19日から3月20日までは瀬戸内海柱島沖に停泊します、最初の寄港地は大阪港で、3月21日に入港、3月23日に大 阪を出航します。
艦隊は3月28日に海上自衛隊西の最大拠点である佐世保に入港し3月30日佐世保を出航、南下し沖縄に向かいます、4月1日から4月3日まで沖縄の中城に入港、本州へ北上し4月7日に伊勢神宮に程近い三重県鳥羽沖に投錨します。艦隊は東北地方へ向かい仙台港に4月10日入港、4月12日仙台を出航します。4月14日から4月16日まで北方海域防衛を担う大湊基地へ入港します。4月17日から4月19日まで、北海道小樽港へ入港する。
舞鶴基地、日本海防衛の要衝へは4月21日に入港し4月23日に 舞鶴を出航します。4月24日に三机へ投錨、ここは練習艦かしま、練習艦せとゆき、のみの投錨です、三机は三机湾で現在は愛媛県の伊方町となっています、原発で有名となった街ですが海上自衛隊としては旧海軍特殊潜航艇訓練拠点であり、歴史的に海軍との繋がりが大きな場所です。そして4月25日から5月4日まで、練習艦隊司令部が置かれる呉基地へ入港します。
横須賀基地、自衛艦隊司令部が置かれる海上防衛の中枢であり旧海軍の象徴としての基地でもある横須賀へは5月6日に入港し5月8日に出港予定です。かしま、あさぎり、せとゆき、三隻そろっての入港であり、首都東京へは5月9日に晴海埠頭へ入港、5月12日に出港予定です。東京港を出港し、5月12日から5月20日まで再度、横須賀に入港、その後は遠洋航海へ出港することとなります。
外洋練習航海は、フィリピンのスービック海軍基地、スービック湾はかつては横須賀と並ぶアメリカ海軍極東地域の一大拠点で現在は、火山噴火により使用不能となった事を契機にフィリピンへ返還され現在はフィリピン海軍が運用しています。続いて、ヴェトナムのカムランへ入港します、カムラン基地はソ連海軍がヴェトナム戦争終了後にフィリピンのスービック基地に展開する米海軍へ対抗する要衝として整備されました。
スービック基地とカムラン基地への艦隊入港、今回の練習艦隊入港はかつての東西の架け橋となるとともに、南シナ海での大陸からの軍事力による現状変更を企図する勢力に対し、潜水艦と新鋭護衛艦を含む3隻の艦隊が入港する事で友好を深めると共にこの地域での平和が維持されるよう、この海域の安定が国益と直結する我が国として意志を明確に示す意味もあるでしょう。
練習艦隊は、近海練習航海部隊と外洋練習航海部隊が揃って3月19日土曜日に江田島基地を出航します、その様子は出港を対岸から望見する事が出来、江田島市能美島高田港、広島からの高速船が入港する当たりから、正面の単縦陣での艦隊出港を望むことができますし、修了式を見送って後に艦隊出港を江田島津久茂瀬戸に面した高台から見送る事も出来ます。
北大路機関:はるな くらま
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